悪い男を見ました。
キムギドク監督の昔の映画ですね。
女子大学生をたぶらかして、売春させる寡黙で口下手なヤクxみたいな男がいて、そいつが売春してる様をマジックミラー越しに見てるっていう謎の映画なんですね。
で、まあ主役はこのチンピラ兄貴かな。
ずっと喋らないんんだけどね。
黙々とマジックミラー越しに見てるんだ。
軽くストーカーなんだわ。
兎に角、この女性のことが気になって仕方がない、ってのだけは、否応なく伝わってくるのね。
遊郭にわざと放り込んで、それをミラー越しに見てるっていう愛情が全然わからないわけなんだけどね。
ただね、一言喋るところ、あるんだね。
だから、これは、こんな不器用な、こんな俺の愛し方、みたいな悦の入った感じにも見えるわけね。
兎に角不器用なんだわね。
この映画2つ興味深いところがあってね。
一つは、この男、捕まっちゃう展開になったりするんだけど、そこで煙草吸うんですよ。
その吸い方が今まで見たことないっていうか、独特でね。
日本の映画であのシーンやってる映画あってもおかしくない気はするんだけどね。
まさかあそこにさして煙草吸うとは思わないじゃん。
大変興味深い。
興味深いといえば、やっぱり最後の解釈だよね。
この映画は、2通りの映画の解釈ができるようになってるんだけど。
ただ、奇妙なことに少しファンタジーになってるんだね。
ある日海にいって、ぶちぶちにちぎれた写真を見つけるんだけどね。
そこに映っていた女性が赤色のドレス着てるんですよ。
すると次の瞬間、その同じ色を着た女性を目撃するんだわね。
ただ、その姿、もう一人には見えてないようにも見えるんだね。
もしかしたらあれは未来の姿かもしれず、時間軸か、空間が別次元かな、と思ったりもするんだね。
故に、ラストに行きつくまでの間に、ぷつ、と展開に違和感を感じるところがあるのね。
どっちでも解釈ができるんじゃないかなって思うわけね。
最初から最後まで暗かったらアレだから、ラストはあやふやにしたかったのかな、と思ったりもするけどね。
不思議な映画だったかな。