二月の鯨

週3~5回いく映画鑑賞感想、たまに消化する積みゲーの感想、映画祭やドラマの話


映画作品鑑賞リスト2024
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映画:マイスモールランド。サーリャと自転車。

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マイスモールランドを見ました。

邦画ですね。

社会派ドラマです。

 

主人公はクルド人の女の子。高校生。

将来の夢は小学校の先生。そのために、部活をやめて東京のコンビニに、バイトをしにいく。東京のほうが賃金高いからね。

 

下には、中学生の妹と、小学生の弟。

お父さんは解体の仕事をしている。

クルド人のコミュニティで生活しているサーリャは、彼らの日本語が不自由な部分を補って、彼らのために歯医者に連れて行ったり、水道の開通手続きをしてあげたり、さまざまなことをしている。

オープニングは、クルド人コミュニティの人々が公園で結婚式を挙げているのだが、一人踊ることができないサーリャ。

私は、違う。

彼女の中にずっとあるのはそれなのね。

手のひらに記された赤いものを落とそうと必死で、くせっけなその髪の毛を朝はいつもストレートヘアに直している。

実は、コインランドリーの上で家族で暮らしてるんだけどね。オリーブの木が植わってるんだよ。お父さんは大事そうに水を上げて世話してるのね。

トルコとかの方は、オリーブが有名でね。きっとね。

日本に植木か種をもってきたんじゃないかって、想像するのよ。それを育ててるんじゃないかって。

だからね、石もオリーブも、どちらも一緒なのよ。

何処で育っても、よ。

 

しかし、ある日、お父さんは難民申請が却下されてしまう。

それにより、身分証明書が無効になってしまう。

 

今まで日本人と同じ日常を暮らしてきた彼女が、そこから人生が一変してしまう。

難民申請が却下された後、埼玉在住の彼女たち家族は働くことを禁止され、埼玉県から出るためにも、たびたび許可が必要になる。

勉学に励んできた彼女に日本という社会は追い打ちをかけていく。

 

という、なんとも・・な映画なんですね。

 

主人公含めて、演技はつたない部分はあったのですが、たびたび心を打ちます。

まあ、主人公はさ、ずっと自転車で登校するわけさ。

そしてバイトに行くわけさ。

多分ね、新荒川大橋を渡っていくんだよ。

なんで荒川が出てくるかっていうとさ、東京都埼玉の境目にあって、そこを渡ってサーリャは淡い恋心を抱いている彼と一緒に働くコンビニに行くのさ。

 

でさ、ちょっと思い出すのさ。

パワハラ受けてた前の会社でさ、ちょうど契約更新するかどうかみたいなときに、

コロナがやってきてさ、更新されなかったのさ。

胸のつかえがとれて、清々しかったような、悲しかったような、何とも言えない気持ちだったんだけどねえ。

これからどうするか考えた方がいい、みたいに言われたね。

知らねーよ、って思ったかな。

一か月ぐらい有給があったから、その時分は映画みて、荒川行って黄昏れてたわけですね。

 

まあ、平日の昼とか全く人がいなくてだね。夕方になると爆音響かせながらJPOP聞いて、ママチャリ漕いでいくスーツ姿のおばちゃんとか、ロード乗りが日々の練習してたり、そういうのを眺めてたのね。何気面白いよ。

私は、東京側から埼玉を眺めてたんだけどさあ。

彼女が、最後に見る景色は、私がいつも見ていたあの景色と一緒なのね。

だからね、自転車はサーリャ自身なのね。

彼女は最初どこへでもいけた。でも途中でどこにもいけなくなった。

そして、最後、何をみているのか。

 

決して暗い話ではないのよ、それはサーリャの目が物語っているのよ。

良い映画でした。

 

ちなみに、私は無事転職したんですけど。

なんか、今の会社では超認められまして出世しました。(どんな)

なんか・・ほんと、会社って適材適所っていうか、合うあわないだよね。

茜色に焼かれる、も思い出したよ。あれも自転車で荒川を走っていくのだよ。

 

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私も、自転車に乗って、東京のどこにでも行っているよ。

だから、何処へでも行けると思う。

 

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