もう終わりにしようを見ました。
Netflixオリジナルですね。
チャーリーカウフマン監督映画です。
チャーリーカウフマンといえば、マルコビッチの穴が有名だと思うけど、私はそれ以降のミシェルゴンドリーと撮ったエターナル・サンシャインやアノマリサとかのほうが好きだ。
いや、正確にいうと興味深かった。
アノマリサについていうと、正直気持ち悪いけど興味深い がしっくりくるw
そんな、チャーリー・カウフマンのもう終わりにしよう。
原作はあるらしい。
この映画、最初は付き合っている男女が、雪が降るなか彼氏の両親に会いにこうとする、って話なのね。
もう、終わりにしよう
彼が彼女を車で迎えに来た時は色鮮やかな服を着ていたけど、車の窓をぼんやり眺める姿は虚ろだ。
ずっと考えていて、いつから考えているのかわからないけど、それがいつも頭の片隅にある。
彼ジェイクがずっとうんちくを話している間もずっと考えている。
正直この会話は少し退屈に見える。
同じ景色で同じドライブをしながら、二人がずっと会話をしている。
お互いに考えていることを喋っている。
ジェイクは少しうんちく自慢だ。自分の知識をやたら披露している感じがする。
だが、この退屈さがどんどん楽しくなってくる、いや興味深い。
ちょっとずつ、ちょっとずつおかしなことが起き始めるのだ。
もう会話にくぎ付けだ。
冒頭では、雪のなか車を運転する二人だが、何故か時折老人のシーンに切り替わる。
歯を磨き、水筒を持って、車にのって、雪が降らない場所を車でどこかへ向かって行く。しかし、おかしなことに少しリンクしている。
黄色いブランコ、車の中でかかるミュージカルの歌声。
そのうち、二人はジェイクの実家につくんだけど、どんどん、どんどん、どんどんおかしなことが起き始める。
そういえば、車の中でもおかしなことがあった。
何故か自分の名前から電話がかかってくる。
家中では、ジェイクの幼少の頃の写真が自分に見えている。
また自分から電話がかかってくる。出ると、少し年食った男性の声なんだよね。
この映画を見ていると、アノマリサやエターナルサンシャインを思い出す。
アノマリサでは、自分以外の他人の声が全部自分の声に聞こえるという男の話。
他人の声が自分の声に聞こえるというのがなんかもうホラーだよね。しかも実写じゃなくて、ストップモーションアニメーションで人形使っているところが、その気持ち悪さを助長している。
エターナルサンシャインは、恋人と喧嘩して記憶を消し去ろうとするカップルの話。
私はあのジム・キャリーは好きなんだけどね。ジム・キャリーにはひどく苦痛だったろう・・w
ジム・キャリーはそのうち頭の中で恋人を探して藻掻くんだけど、たどり着いた家の中は、薄暗くて雪が降ってるんだよね。
エターナルサンシャインって、そういえば、寒い寒い川の雪の上で、星空みてたっけね。
この映画も、ずっとずっと雪が降ってるんだよね。
カウフマンの映画では、雨じゃなくて雪が降るのかも。
良い時も悪い時も。
実家についてからは、もうホラーというかスリラーというかのジェットコースター展開なのね。
まるで気分はファーザーのように(っていうか私ファーザー好きすぎだよね)
やあ、ファーザーは面白かったんだけど、この、もう終わりにしようも大変興味深いんだよね。
食事シーンあたりはもうなんていうか、薄気味悪いんだ。
ずっと居心地が悪くて。
カウフマン自体も、実家が居心地悪い質だったのかな。気になるところだけど。
この映画の楽しいところは、いろんなアイテムが散りばめられているところ
あのブランコ、あの歌声、あの水筒、あのスリッパ。あの文字。あの腕時計。タルサアイスの紙袋。
もう数えきれないほど、沢山出てくる。
そしてさらに面白いのは
スリラーでありホラーであるハズなのに、穏やかなところ。
ジメジメした最期についての話なんだけどね。
なんかさあ、あるじゃん。
見たくないものを見ようとしないようにしたり、聞きたくないことを聞かないようにしたり。
私も、よくやるんだよね。
人の不機嫌は見ないようにする癖がついててさ。
でさ、ゴミ箱の隣にあったのは、何の車だった?っていう話なんだよね。
結構面白かった。じめじめした映画好きにはいいと思う。
私はなんだかんだ、チャーリーカウフマンのジメジメした映画が好きなのかもな。
ちなみに、映画の中で、RED LINEっていうレストランで働く男女のコメディ映画が出てくるんだよね。エンドロールに切り替わる瞬間に、
監督 ロバートゼメキス!!!
凄く皮肉な感じで面白かったし、それを見ているのは例の老人なのね。
音楽も超ロバートゼメキスwwww
ちなみに、ロバートゼメキスのそんなラブコメ映画はないんだけどね、実際には。
ゼメキスってザ・アカデミーって感じだし、カウフマンとは表と裏ってかんじだよね。カウフマンは本当にジメジメしてる。
アカデミー賞6本見ると疲れる、大げさで何も記憶に残らない、といった類の車の会話も面白かったw
2時間35分の上映で、観客たちは細かいしぐさを見ていない、というセリフも印象的だ。
アカデミー賞6本連続で見たら、おなかいっぱいだよねw
ちなみに、この映画は2時間15分あるんだけど、いろんな細かいところが気になるんですよね。私はね。