二月の鯨

週3~5回いく映画鑑賞感想、たまに消化する積みゲーの感想、映画祭やドラマの話


映画作品鑑賞リスト2024
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ドラマ:デリー凶悪事件。ハートフルなインド映画の裏側で起きるレイプ犯罪大国の実態。

www.youtube.com

デリー凶悪事件を見ました。

ネトフリオリジナルドラマですね。

ネトフリって、5年ぐらい前と比べて、ドラマとか映画の質がよくなったので、定期的に加入・停止を繰り返しています。

さすがに、3動画ずっと継続はきついので、ちょいちょいバックしています。

 

デリー凶悪事件というのは、あのバスの乗客(これはのちに明かされますが)によって、乗り合わせた男女が集団レイプの被害にあうという事件がもとになっています。

鉄の棒で殴打したあと、レイプして、鉄の棒を突っ込んだりして、腸をひきずり出した挙句に道に捨てた事件です。

ja.wikipedia.org

インドは誰しも周知の事実の如くの、世界的にレイプ事件が多い国として知られています。

私が本当に衝撃を受けたのは、赤ちゃんをレイプした事件だよ・・・。

しかも、お母さんはレイプしないで赤ちゃんを誘拐してレイプだよ・・・・。

www.afpbb.com

news.livedoor.com

内臓が破裂したりとかして大変だったんだけどさ、この子さ・・。

ようするに、女性にとってはとても危険な都市なわけだよ。

 

そんな事件が起きてからの数日に焦点をあてたこのドラマ。

私は、このインドの実態についてのドキュメンタリーとか映画なりを見たいと思っていたから、見れてよかったと思う。

 

元にはなっているけど、おそらく脚色されていると思う。

そしてわりと赤裸々に問題を提起してくれてるドラマですね。

 

主人公は、南部デリーの警察署長。女性なんだね。

その主人公には一人娘がいるんだけど、トロントに留学するっていうわけ。

なんでデリーからいなくなるのよ!みたいな口論があるんだけど、娘は、デリーのどこがいいの?

夜一人で出歩けるの?

なんて口論を冒頭でするわけですよ。お母さんは、デリーにいいところがあるってことを見せてあげる!と啖呵を切るんだけどね。

 

そんな最中にあのバス集団レイプ事件が起きてしまう。

インドの犯罪が、中々減らない実態を色々見せてくれます。

 

ずさんな検問、警察官は人手が足りていなくて日々仕事に明け暮れて、疲れ切っている。昼ごはんをゆっくり食べる暇もない。

残業代もでないし、土日もお仕事、何日も家に帰れない。

車なんて持ってないからバスで通いだ。

所長はあまり仕事をしたくないから、捜査を誰かに押し付けようとする。

捜査で、手袋もはめずにバスの中を触る(これは仕方ないかもしれないけど)

そして、鑑識がインドの現場に出ることは稀だという発言。

 

警察官の日常で面白いのは、朝出勤するときに棒を所持していることだ。

コロナ禍で、街中に出てきている市民に棒でお尻を叩いていたのが鮮明に残るね。

棒・・・?って思ったけど、よく考えたら日本の警察官も警棒もっているよね。

ただ、木の棒だから少し江戸感はあるけど・・・文化みたいなものかな。

警察官たちは、警棒って呼んでた。

後は、犯人を刑務所に連行していくんだけど、その時手錠しないんだよね、なんと犯人と警察官が恋人繋ぎしてるんだよ。

そ・・そんな連行の仕方なの・・・?WHY

多分、手錠を買う金もないのではなかろうか・・・。どうなんだろう。

他にも興味深いのは、警察官たちがデモの鎮圧のために盾とか用いてたりするんだけど、なんとその材料が

竹!!!!竹だよ!!!まあ、ないよりはいいんだが!!

 要するに金がないんだよ、警察官たち。

挙句に、捜査中に警察署が停電になるんだよ。

なんで停電になるかっていうとさ

電気代払えてないんだよ!!!

警察署が停電とかダメだろう!!言語道断だろう!!

停電になってしまうような、この政治をなんとかするべきだ!

インドのレイプ事件がなぜ減らないのか?を途中で警察官たちが会話するシーンなんか印象的だ。

何故減らないのか、それは貧困の差がどんどん増えていくからだ。

性の知識を教えないが、インターネットでポルノを見ることはできる。

女性はものとして扱われている。

金持ちは、金を儲けるが、それを貧乏人に還元することはないーと。

実際に犯人たちの職業は、低所得者層の職業と思しき人ばかりだ。

身なりも少し薄汚れている。

そして、犯人の一人は言う。

刑事が、レイプしただろう?と問い詰めるとと、セックスをしたんだ、という。

まじすか。

どこまで、犯人たちが言ったことなのかよくわからないけど、すごい恐ろしいことなのだ。

叩いたことは悪いと思っているかもしれないが、レイプを悪いことだと思っていない。

 

醜悪なその事件のシーンを回想シーンとして描くことはほとんどない。

もしあったら、見るのきつい・・。

 

インド文化についても、ちょいちょい差し込んでくるドラマだ。

インドの警察官はなんと、触れたりしてはいけないらしい、被害者とかに。

そういう法律があるらしいのだ。

署長がドラマの中で説明してくれるのだが、そういう法律あるんだ・・とその文化に衝撃を受ける。

また、インドでは、英語とヒンディー語の両方が飛び交うように会話されているようだ。

(凄いなインド)

そして女署長は言うのだ。英語を勉強しなさい、法廷では英語を使うからと。

大変や・・・。

インドの検問で引っかかるのは薬物ではなく、象牙の密売。

また、女性専用車両があるのか、女性だけ乗っている電車に乗る娘や、女性警察官の様相も文化でわかる。

事件後の電車のシーンが映るが、男性が寄せ集まっているカットシーンが入る。

カーストの身分は廃止されているはずだが、刑事が聞き取りにいった警察署で、娘の持参金の話が少し交わされる。

ちょっとよくわかってないけど、インドでは、娘を結婚させるときに相手に持参金を用意して渡す文化がある。

その件で、警察署にいくことがあるみたいだ(なぜかは不明)

ちなみに、インドではそのカースト制度は廃止され、違法にはなったもののまだ風習としては根強く残っており、カースト身分の高い男性のレイプ事件も起きたりして社会問題になっている。

 

ハートフルなインド映画の裏側で、起きている凶悪事件を目の当たりにする社会性の高いドラマだった。

ちなみに、シーズン2も決まっているようだ。制作国はインドみたいですね。

国際エミー賞受賞しているようです。

シーズン2を開始するときには、またネトフリに加入することにしよう。

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