陪審員2番を見ました。
クリント・イーストウッド最新作です。
実は、2024年11月ごろ?かな、アメリカで公開されたんですけど、日本では未公開だったんですね。
今や、クリント・イーストウッドの映画ですら未公開になってしまう、日本の映画市場の元気のなさを感じます。
さて、陪審員2番を今年に入って、GWかな。見たんだけど、めちゃくちゃ傑作でした。
なんで今まで見てなかったんだ、ぐらいには。
そして、これを劇場公開しない日本って・・・・。というのも思ったかな。
前置きとしてはこのぐらいで、映画の内容。
主人公はニコラス・ホルトなんだけど、陪審員として選出されてある裁判に行くんですよね。
で被告人の話とか、裁判官の話とか聞いてると段々と思い出してくるのね。
あ、こいつ無罪だ。俺知ってるー、こいつ殺してない。
って。
何で知ってるかって?そう
彼はそこにいたからなんですよ。
そうこうして裁判は進むんだけど、他の陪審員たちは家に早く帰りたいから、早く採決をとろうとする。でも、そこでニコラス・ホルトが反対を表明するんだね。
なんかおかしくない?いやもっと議論しようよ、って。
この映画は、まるで12人の怒れる男たち。あの映画も、ほとんどが有罪って思っていたんだね。それを見ておいた方がいいんだろうなとは思うんだが、残念ながら配信はない。
この映画の面白いところは、
主人公が”その場所にいたことを公にしたくないこと”
だがしかし
”彼を有罪にもしたくないこと”の狭間で揺れ動くドラマと、主人公そのものの「バレたくない」という気持ちを、これでもかというサスペンスとして描いているところ。
もう映画が始まったら目が離せないんだよ。
この先どうなっちゃうの?って。その間、鑑賞してる私たちはずっとまるで陪審員。
「彼」は有罪であるべき?無罪であるべき?
この映画を観ている間、私落下の解剖学を思い出したね。
あの子供の気持ちを思い出して。
さて被告人を有罪にしたくてたまらない、検事のトニ・コレット。
真相に迫ろうと後を追う。トニ・コレットもすごくよかったね。
ホラー映画の印象しかなかったけど、ここにきてドラマの印象も出たよ。
緊迫で目が離せないんだ、二人のバトルがさ。
終わり方もすごくよかった。
すごくハッとして、そして息をつく、息を吐く。映画の読後感。
映画を観た、凄く充実した映画を。
そういう映画だった。
クリント・イーストウッドは94歳。94歳にして、いつ亡くなっても(失礼)おかしくないぐらいの傑作映画だった。
間違いなくおすすめの一本。