皮膚を売った男を見ました。
RakutenTVですね。
シリアに住んでた若いカップルが、僕ら結婚しよう!みたいな盛り上がりから始まるんだがね。
列車の中で不意に言ってしまった言葉のせいで、男は警察に捕まっちゃうわけ。
逃げるしかなくて、シリアの外に身を潜めて暮らすわけ。
ISISがやってこようとする中で、女性の方は外交官と結婚して国外に脱出。
それを知りつつ、女性を追いかけようとする主人公の男性。
どうすることもできなくて、貧乏で、芸術家のパーティーに潜り込んで飯を食べてるところを見つかって出ていこうとすると、芸術家の男性に呼び止められるわけ。
僕が協力してあげよう。
ってね。
私ならついていかないぞ!!なんて胡散臭いんだ!!
と、まあ思うわけだけど。
藁にもすがる男は、芸術家の男性と契約を交わす。
内容は、
背中に入れ墨を彫らせてくれ
入れ墨を彫った男の背中は、美術館の展示場をあちこち回る。男の背中は見世物のように展示される。
難民の背中を見世物にしたことで、人権団体と芸術家との対立も沸き起こり、ついには男はオークションにかけられて、精神を病んでいく。
という話なんだね。
まあ、最終的にはこの映画には救いがあるわけなんだけど、芸術品としてあちらこちらに流されていく男は、まるで物のようで、芸術として売られているのか、人身売買として売られているのか、なんだかよくわからなくなっていく。
芸術とは・・・?
と、そんな風にずっと眺めていると、居心地が悪い。
男に入れ墨を彫った芸術家はいうんだね。
私は、無価値なものを価値あるものに変えるのが好きだー
とね。
途中は、大変居心地の悪く感じる映画だったが、見世物、について考える映画でした。
自発していれば見世物じゃないかもしれないけど、受け取る人や見る人が見世物だと感じれば、それは見世物として認識されたりもする。
結局それは、彼が国境を超えるための術であって、芸術そのものというよりも、彼が生きる術ともいえたんだろうと。