EUPHORIAをみました。HBOのA24ドラマですね。
U-NEXTで見られます。
本編八話、番外編二話です。
てか、シーズン2作るらしいですね。
ゼンデイヤ主演のドラマなんですけどね。
ゼンデイヤってよく聞くけど誰だっけ?って思ってたら、ディズニーチャンネルの子でした。
ユーフォリア。多幸感って意味があるみたいですね。
ドラマは、っていうとティーンエージャーの恋愛、薬物、バイオレンス、性、SNSなどについて扱っています。
13の理由やばい版という感じです。
ユーフォリア自体は、もともとイスラエルのドラマだったそうですね。(WIKI)
そのときに関わっていたサム・レヴィンスもアメリカ版で制作や監督としてかかわっているそうです。ドレイクもそうですね。
このドラマね、いいか悪いかでいったら良いですよ。
ただ、とんでもなく鬱ドラマの性質を持っています。
13の理由を見てアメリカの方で自殺した子とかいましたよね。
ユーフォリアもその危険性をはらんでいると思います。
このドラマを一言で色々いうのは難しい。
主人公の女の子はゼンデイヤ演じるルーっていう女の子なんだけど、薬物依存症で施設に入院してて、退院したばっか。
でも、退院しても薬物は使用しているし、母親の抜き打ちチェックをやり過ごすために、幼馴染の友達からおしっこを貰う始末。
ユーフォリアでは、毎回冒頭で、ルーが登場人物たちの心の内側をナレーションで紹介する。
その語り口は淡々としているがとても心苦しくてしょうがない。
彼らはみなが主人公だが、彼らに起こる事柄を目の当たりにすると
十代からこんなにつらくていいの・・・・?
と私は思ってしまう。
性の問題も多く扱っているので、やたらと裸体とペニスが出てくる。
まあ、ぼかされているんですけどね。
見たくないものをこれでもかとえぐられるように見せつけられて、大変心苦しい
自分の必要性を見いだせない子が新たな可能性を見出していく場所や、他人がみたい自分を演じてしまっていたり。
みなが色々な葛藤を抱えている。
目の前にいる彼氏とセックスをしていても考えているのは別の事。
主人公たちの移動手段はいつも自転車だ。そこに幼さが見て取れる。
自転車で行けるところまでが自分の生きている範囲だ。
そして演出も中々の鬱演出となっている。
一話で感心したのは、クスリでラリっているルーが、パーティーでインセプションのごとく、重力がぐるぐる回るなかを、ふらつきながら歩くシーンだ。
あれはいったいどうやってとっているのか?
大変興味深い。
そして、音が遠くに聞こえるように、周りの景色がぼやけて顔の一部しかほとんど焦点があわなくなったりもする。
周りの音って聞こえなくなるよね。
そういうことってある。
このドラマでさらに目をみはるべきは、主人公ルーと仲良くなっていく女の子の友達、ジュールズだ。
ジュールズは性転換したトランスジェンダーだが、そのジュールズを演じている女優さんもトランスジェンダーである。
それは全然きづいてなかったけど、私は彼女を劇中で見ているととても不安に襲われる。
いつもふわふわしていて、どこかに消えてしまいそうだからだ。
目の前にいるはずなのに、どこか遠くを見ているような気がする。
折れてしまいそうなその背中は、とても辛そうだ。
彼女の存在感が、このドラマのリアル性に影響を与えている。
とても興味深い女優さんになりそうだ。
番外編は、2話別枠で配信されている。
それは、ルー側から見た吐露と、ジュールズ側から見た吐露だ。
ジュールズは、いつも手の指先を弄っている。
マニュキアも塗っていることもあるが、絆創膏をはっていることもある。
あれは、指の皮をむかないための対処だ。
写真たてをもつ彼女の指は、他の指と少し色が違っていて、赤みがかっている。
カウンセラーと話す彼女の指もそうだ。
そう、彼女は皮膚むしり症なのだ。
彼らのいろいろな心の痛みを感じてなかなか見ていて辛いドラマだった。
このドラマに出てくるひとたちはみな孤独を抱えて、心の過不足をもちわせている。
彼らの日々は、
一見満たされているように見えるけど、それに反して全然足りてない。
SNSでやり取りして、毎日会話して、パーティーしているけれど、満たされない孤独がずっと付きまとっているのだ。