ザ・スクエアをみました。
パルム・ドール取ってた映画ですね。予告の感じからどういう映画なのかよくわからず、見逃していた映画です。
北欧のスウェーデンの映画なんですけど、
皮肉たっぷりな感じの映画でした。
映画の時間はおよそ2時間半。なかなか長い。
少しだけネタバレで話しますが。
この映画がどういう話かって説明すると、ある美術館のキュレーターをしているお父ちゃんが主人公なんだけど、その人がスマホをスられちゃうとっから始まるんですよ。
そのスリシーンがちょっと楽しいっちゃ楽しいんだけど。
ある女の人が、出勤の最中、助けて!!って叫びながら助けを求めるんですよ。
でも、みんな出勤途中だからか、足を止めない。助けて!は結構何回も聞こえるんだけどね。
そして、ついに主人公が足を止めるんだけどさ、色々あって財布やらスマホやらスられちゃうわけね。
で、GPS追跡して、ついにスマホの場所が発覚するんだけど、とあるマンションにあることはわかったんだけどどこの部屋かまではわからない。ちょっとふざけて全戸に脅迫状を入れるという作戦に出るわけ。
俺のスマホと財布とカフスボタンを盗むなんて!どういう目に遭うかわかっているか!的な。
ちょっとしたそんなことが発端で、主人公は、あれよあれよと悪いことに見舞われて行っちゃうっていう話、です。
ザ・スクエアっていうのは、この美術館で新しく展示することになった現代美術、スクエアから来ているんだけど、その四角形に入ったら、誰でも平等で思いやりがあって、っていうそういう空間なわけ。
で、その展示準備の最中、娘たちに展示場を主人公が紹介するシーンがあるんだけど。
美術館に入る時に、最初に、人を信じますか?信じませんか?のボタンを押させるわけ。
準備中であるにも関わらず、圧倒的に人を信じるボタンを押した人が多いんだ。
で、展示場の中に入ると、四角形の中にあなたの財布とスマホを置いてください、っていう但し書きが出てくるんだ。
面白い展示といえば面白い展示だけど、個人的にはここに置きたくないw
そういう意味では、私は左に進むべきだろう。
と、考えると、この数字がいかに皮肉か、というのが物語が進むにつれてどんどん実感していくわけなんだけど。
とにかく、この映画は、ホームレスがたくさん出てくる。
都会の街の人々が足を止めてくれない中、ホームレスは足を止めてくれたりする。
美術館のあるインタビューでは、トゥレット症候群の人が観客として来てたんだけど、どうにもその人がいるとインタビューが続けられない。
おっぱい!とか、くたばれ!とか叫んでしまうから。
ビリーアイリッシュもトゥレットだと告白していたが、トゥレットの人はいきなり体がガクガク動いてしまったり、汚言症が出たりしてしまう症状がある。
インタビュアーは、その観客のことを止めるわけでもなく、苦笑いしながらインタビューを続けるわけだ。
こういう一連の皮肉じみたやりとりをみてると感じるのは、
なんか日本でこういう光景すごくみる。
ていうこと。例えば、ベビーカーを混雑している通勤ラッシュ時に乗って来るおかーさんたちのみられている眼差しとか、ホームレス感満載の男の人がデパートの本屋で本を立ち読みしている時とか、頑張ってゲロをバッグに吐いてしまった人を遠巻きにみている感じとか。電車で喧嘩しだしたおっさんたちと目を合わせないようにする感じとか。
あの気まづい雰囲気。
誰もが無関心、誰も関わりたくない。そういう集団の心理をすごい感じる。
その最たる皮肉が、猿男が出て来るシーンだろうか。
皆が自分に災いが振りかぶらないように、目線を下にして誰も喋らない。
銀行強盗でも入ったのか・・・?
ぐらい。皮肉を通り越して恐ろしいレベルではある。
最後まで皮肉づくしの映画なのだが、主人公が何も変わらなかったという訳ではない。
訳ではないが、笑うって感じの映画ではなかったかなあ・・。
好き嫌いは分かれるところだと思います。