コックと泥棒とその妻と愛人を見ました。
やたら長い名前だなと思っていたのですが、内容はさっぱり知らずで見ました。
が、のっけからまあ、
おい、ヤベえヤツだなこれわ、という映画でした。
ある男性が道端で辱めを受けるシーンから始まるのですが、最終的には全裸にされてしまいます。犬の糞?かなんかで体はまみれてしまうんですが、全裸なんだけどぼかしもなんもない。
んん?これr15だったか?
と思いつつも、成り行きを見守ると、どうやら撮影は一種の舞台にでもなっているのか、調理場、レストラン、が吹き抜け状態で映るようになっている。
舞台見てる感すげぇ!
という感じなのだが、まず圧倒されるは、その色彩感。
調理場のシーンを映すときは一面緑なんだけど、食事を取るレストランでは真紅。そしてトイレは白。と変化するようになっている。
しかも、注目すべきは皆の衣装なのだが、場所が変わると衣装も変わる人がいる。
ヘレンミレンは、トイレに何度か立つシーンがあるのだが、レストランでは真紅の服を着ていたのに、トイレの中では白。
ここを行き来するシーンがあるのだが、大変美しく感じる。
いいですね?!
と、色彩に関してはとても気に入った。
たぶん、好き嫌いがあるとすれば、この映画のヘレンミレンの旦那の
罵倒シーンだろうか。
とにかく始終人々を罵倒し、つまらないうんちくを披露し、食べ方も汚いのに自分はグルメを気取っていたりして、
とても不快だ。
ヘレンミレン浮気するのも納得なのであるが、妻がよもやそんなことをするとは夢にも思ってないあたりが間抜け。
このヘレンミレンの旦那がつまるところタイトルの泥棒、なわけだが、こんなに横柄なのはなぜかというとレストランのオーナーだから。
で、始終もう不快感MAXなのだけど、この感じはドッグヴィルを彷彿とさせる。
あれも見ていて不快だった。でもドッグヴィルの場合は映画として不快だったからまたちょっと違うけど。
と、まあ、ここで好き嫌いは少し分かれるかもしれない。
だが、ラストの仕返しの気持ち悪さと恐ろしさに、只々ヘレンミレンに圧倒されて、空いた口が塞がらない。
マジでやべぇレストランじゃねぇか、と。
最後まで不快なんだが、また見たいと思うかは怪しいし、誰かと一緒に映画館に見に行っちゃだめですねなタイプの映画なのは確か。
ちなみに全裸シーンがよく出てくるのはラストのためにも必須で、ぼかしちゃいけないところで納得ですね。
なかなかインパクトがあって最後まで圧倒、面白い映画でした。
万人には勧められません。
それにしてもヘレンミレンてカリギュラでたり、この映画でたり、なかなかハードな映画に出てるよね。カリギュラも違う意味でやばい映画だったな・・・。