英雄の証明を見ました。
U-NEXTですね。
イラン映画です。
待望のアスガー・ファルハディ最新作!
アスガー・ファルハディだよ!!みんな!!大好物だね!
別離、セールスマンと撮ってきました。
口論系中東映画、と私の中で呼んでます。
今回は口論系、ではなかったですね。
まあ、でもズキズキします。
借金を返さないから、借主に訴えられて刑務所に入った男が主人公ね。
その程度で?!
って感じするけど、イランの法律って結構変わっててね。
まあ、中東あるあるで面白いんだけどさ。
50人の宣誓も面白いよ。証人する人が50人いると死罪にできるとか、月の満ち欠けで罪の重さが変わるとか・・。
どんな!?
と、まあそんな感じなわけなんだが。
囚人といえど、休暇という制度があって、刑務所から出て家族のもとにも会いにいけるので、刑務所・・・?っていうか・・なんだろう、反省施設?って感じもする。
でも、刑務所に入って前科があると職を得られなかったりもして、どんなやねん・・ってかんじもするわけよ。
途中で出てくるタクシーの運転手も前科があったりと、これ、前科ない人の方が少ないんじゃないかという気すらする。
で、物語を全然説明してなかったわ。
主人公の彼女がね、金貨が入ったバッグを拾うわけよ。
よし!これで借金返せるぜ!
って、意気揚々と借主に返したいんだけどーって電話したわけ。
でも、全額じゃねーなら、いらねーわ!!
と門前払い。そのうち、姉にバッグのことを問いただされて、持ち主に返すことになるんだけど、これがまた美談として、いろいろなメディアに取り上げられて・・。
っていう話。
これの興味深いところは。
メディアやSNS、刑務所の所長たちにいいように、取り上げられて、捏造されて、美談にされて、たった一言言わなかった事実を、
よくも騙したな!
って、主人公のせいにされちゃうわけ。
え・・いや俺は・・・・?だって、みんないうなって言ったじゃん・・・・?
え・・・?
という、具合にどんどん流されていっちゃうわけですよ。
深みにはまっていってね。
主人公は、囚人だけど、金貨を盗まず持ち主に返しました。そういう話なんだけどね。
それの何がすごいんだ!?
と借主と不仲になっていくわけなのね。
まあ、主人公の俺すげーだろ・・・?!っていうあの調子に乗った笑いもよくありませんね!
で、SNSやメディアにいいように踊らされて、さらにいいように落とされていく。
美談につくりあげたのは彼らで。
主人公が言ってるの、嘘じゃね・・・?と勝手に盛り上がるのも彼らで。
善行を働いている目の前にいる人物よりも、目に見えない嘘かどうかもわからない、SNSの情報を鵜呑みにしてしまう。
そういう皮肉と、むなしさを描いているんですね。
まあ、主人公もね、きみぃいいいそれは、あかんでぇえええ?!っていうのはあるんだけどさ。
自分の責任になりそうになると、逃げだす刑務所所長たちとか、ほかのいろいろなみんなとかね。
人間の心情がうまく絡みあって、じくじくする映画になっています。
果たして彼は、次バスに乗れるだろうか。