別離を見ました。
アスガル・ファルハーディー監督ですね。
セールスマンから先に見たんですが、彼の映画は、本当にいつも
胃がキリキリします。
冒頭は、裁判所のシーンから始まる。
別の国に行きたいんです、娘を連れていきたいんです、夫はでも来てくれないんです、離婚したいんです。
離婚するには夫の承認が必要だ、ないなら無理だ。
そこから始まり、妻は家を出ていく。
夫には、アルツハイマーを患っている父親がいた。自分も仕事に出かけるから介護してくれる人を探していた。
ある女性に介護の面倒を見てもらことになる。が、そこから色々な問題に発展していく。
この映画で一番衝撃的にびっくりした、っていうか、普通考えれば確かに!!ということなのだが、イランという国で、他人である異性の介護をするっていうのは
めっちゃ大変だ・・・・
ということなのである。ヒジャブだってもちろんつけたまま介護するし、おじいちゃんが粗相をしたりするわけだけど、自分で体を洗うことすらできない、がしかし、他人の私は・・面倒を見ても、宗教的には良いのか??? という疑問が生じる。
なんとまあ・・・・!!!
老人ホームとか、病院ではどうしてるんだ・・・・・?という疑問がふつふつと湧いてきた。めちゃくちゃ大変じゃねーか!!
そうこうして、物語は裁判モノへと展開していくわけだが、
もうこのいざこざあたりから、目が離せない
義姉が旦那につく嘘。
父親が娘につく嘘。
どちらの気持ちもわかるだけに、どちらが悪いなんて、一言では言えない。
お父さんの人間としての揺れ動きだってわかる、がなんて頑固なんだ!!とも。
靴屋で働いてきたという義姉の旦那の頑固さも!!
ていうか、出てくるやつみんな頑固なやつばっか!!
強いて言えば、おかーさんが一番頑固ではない。現実を見ている。
その間で、夫婦の溝が深まらないようにと祈る娘。
裁判所での義姉の小さい娘の睨む眼差しが痛い。
会話のセリフの一言一言が、突き刺さる。
登場人物たちが、ホントにリアルで、感情がむき出しの、揺れ動きが痛い。
ホントに、中東の映画は、感情に訴えかけてくる映画が多い。
スゴイ。