ロストケアを見ました。
U-NEXTです。
介護殺人がテーマになっている本作ですね。
長野市。ケアサービスの職員、シバは介護で近隣住民たちをサポートするため車で回っていた。
同僚からも、あんなに真摯な介護士は見たことがないと慕われ、老人たちの子供らからも慕われていた。
だがある日、梅田という爺さんが亡くなった。ケアセンターの所長も一緒に。
警察は事件性を調べっていくうちに、シバにたどり着いていく。
すると、男は語った。
私は42人を救ったんですー。
という、もうのっけから重い話ですね。
原作小説がありますが、原作の場合は長野ではなく八王子が舞台、長澤まさみはこの映画では検事という役どころですが、原作では男性になっています。
映画になるうえで、メインの二人を男女対決にしたかったんだろうなあ、という気がします。
また、原作ではミステリー調で、事件に辿り着くことをメインにしているようですが、映画では、このストーリーの
社会的問題性に着目している点が大きい感じがしますね。
冒頭から、老人ホームに入れないお年寄りたちが、どう暮らしているのか、っていうのを懇々と見せてくるんですね。
あるお年寄りは、認知がすすんで家を抜け出して徘徊してしまうし、
あるお年寄りは、食器を片付けることはできずに、和室の奥を四つん這いで何か探している。
そこを介護するのはたいてい娘さんなのね。
息子さんはいないのかな。
娘さんがね、苦労してるんだね。
皿を片付けようとして、転んでしまうの。
今にも泣きだしそうなのね。戸田菜穂さんがね、ストレスたまったいい演技してるんだね。
「あの人もういっぱいいっぱいだよ」って、帰りの車で介護センターの署員たちは話してるんだねえ。
でも助けられないでしょ、って。
この映画ね、見どころは色々あるんだけどさ。
個人的には、松山ケンイチの、今回のねっちりした喋り方、苦手なのね。
でも彼がねっちりした喋り方になってるのって、対話してる時だけなんだよね。
長澤まさみと対決するでしょう。
検事さんもさ、いやあなたが、感情むき出してどうするんだよって話でもあるんだけど。
検事さんは我々なんだよね。
きれいごとばっかりいってるけど、本当にそう言えるかって、そう聞いてくるんだよね。
他人事じゃないんだよね。
だからなんともいえない気持ちになるんだよね。
今回はさ、柄本明が、これまた凄いんだよね。
松山ケンイチの生えそろったきれいな髭はちょっと違和感もあるんだけど、柄本明は違うでしょう。
歩き方とか、喋り方とか、うちのじいちゃん思い出しちゃうでしょう。
うちのじいちゃんも脳卒中で倒れてねえ、ほとんど寝たきりだったかな。
その後認知がすすんじゃってねえ。
色々考えるわけですよね。