ウーマン・トーキング 私たちの選択を見ました。
アマプラかな。
見ようと思っていた見逃しました。
もともとは実話の話で、中世な暮らしを維持するメノナイトの集落で起きた事件をもとにした、小説が元になっています。
カナダの人かな。
その人もどうやらメノナイトの人だった様子。
どんな話かというと。
ある集落で暮らしている女性たちが、寝ている間に実はレイプされていた
ということが明らかになるわけなんですね。
おいおい、すげー重い話じゃねーかって。
なんでも、家畜用の鎮静剤を全員に吸わせてから、集落の男たちが数人で犯行に及んだ。そして、それにより留置所のようなところに連れていかれるわけなのだが、それを釈放してくれと、男たちが懇願しに行く。
男たちが出払っている間、納屋で女たちがどうするべきか話し合う、というのがこの映画の話なのである。
あらすじきいただけで、眩暈がしてきそうなわけだが、安心してほしい。そういうシーンはない。
ただ、淡々としているが、息が詰まりそうな感じ。
集落の男たちはみんな出払っている。
残っているのは女子供。
何もなかったように、このまま集落にいつづけるのか、残って戦うのか、去るのか、3択だ。
しかし、圧倒的多数により、戦うか、去るか、二択になる。
女たちは教育を受けていないため、読み書きができない。
代わりに、唯一の男性である、集落を追放された男性、オーガストが書記をつとめるなか、物語は進行する。
この映画なんちゅーかね、ただただ画面が暗い。
まるでお通夜なんですよ。
女たちが着ているものは、黒なのか深緑なのかよくわからない。
女性たちは全員が被害者で、レイプをされている。
妊娠している女性もいる。
どうするべきか。
ずっと話あっているんですよ。
ただただ納屋で。
だから、すごい戯曲的。
代り映えのない納屋でずっと話している。でもすごい重い。
でも目が離せないんですよ。
唯一の良心、ベンウィショー演じるオーガストが、男性として、女性たちの話を聞いている。
女性たちは主張をぶつけあい、そして説得する。
考える。
そこがもうすごいんですね。
わたしだったら、許せない、たぶん鎌持って戦うたぶん。
でも、そこを誰かが説得する。
そのあとは?
男たちのしたことは赦せるの?強制されたゆるしは赦しなの?
距離を置いたら赦せるのかもしれない、いつの日か。
でも、出て行ってどうするの?
女たちは読み書きができない、でも出ていこうかと話している。
出ていったら追放されたら、天国に行けないかもしれない。
どうするべきか。われらの信じるところは平和主義であるはずが。
そんなやり取りをずっと見ている。
そして、最後の最後にすごい感動した。
つうか、もう号泣なんですわ。
なんかいろいろ思い出したし、考えた。
畳みかけがすごいんですよ、この映画ね。
何も言わないんだけどね、その圧倒的数と圧倒的景色で見せてくれるんですよ。
それにしても、この映画、作ろうとする、金を出す、その心意気がすごいね。
この絵面で、画面が持つかどうか、わからないでしょ。
お客さんはいるかどうか不安でしょ。
いいね。制作のブラピもフランシス・マクドーマンドも粋だね。
良い映画でした。