リトル・ジョーを見ました。
Huluです。
ホラー映画かな。
主人公は、ある研究員で、シングルマザー。
赤い花を育てる研究をしてる。
一緒に研究してるのは、ベン・ウィショー。ちょっと暗めのオタクみたいな役がめちゃくちゃ似合うと思うんだけど、まさに今回の役は適役だね。
で、育ててる花っていうのが、リトル・ジョー。息子のジョーから取ってつけた感じかな。
育てていくと、幸せの匂いを発することから、人々をいい気持ちにしてくれるっていう花なのね。
ただ、花粉とか受粉しても子孫は生まれないように細工してるって話になるわけよ。
そこをちょっとウザめのお局的な研究員のおばさんが叱責するわけね。
ベンウィショー曰く、以前自殺未遂したことがあって、カードを持たせてもらえないだとか、実はすごく有能な研究員だった、とかなんとか。
いつも犬と一緒に行動してて、かけがえのない家族、みたいな感じなわけよ。
研究に明け暮れる主人公のお母さんは、仕事から帰ってきたら、パックのお惣菜を息子と一緒に食べてるの。
別にパックのお惣菜を非難してるわけでもないけど、ここの描写になんか含みありそうだよね。
アメリカだったら、冷凍食品ご飯は結構当たり前なんだけど、ヨーロッパだとここらへんの食卓の表現はどうなるんだろ。
お母さんの研究や仕事を待つ間、息子は暇そうに椅子に座ってるわけね。
しゃれた赤い靴を履いてて、それに気づいたベンウィショーは、いい靴だねっていうわけ。でもお母さんとそういうシーンはないのね。
お母さんはずっと花のことばかりなのね。研究のことばかり。
そうして、息子にリトルジョーをプレゼントする。かわいがってね、話しかけてね、って。
息子にそこまでの愛情を注いでいるのかはともかく。
そうして、ちょっとずつ不気味に物語が進行していくのね。
この映画、結構面白くってね、何が面白いって、怖いわけじゃないんですよ。
不気味なんですね。
日本の能か雅楽のような音楽がずっと鳴り響いてるんです。
笛の音、和音とはいえないような不穏な音、たたたたた、とだんだん早くなるたたく音。どれも日本のどこかではよく聞いた音なのだが、これをホラー映画で使っているのは、日本映画以外では見たことがないので、興味深い。
で、その不気味さがずっと続いていく。
不気味さでいうと、花の赤色自体も不気味だが、食堂も結構不気味。
食欲をそそらない色合い、ケーキ、服の色。
なんだか全部が不協和音。
結末は明確には説明しないのだが、ある種のボディースナッチャーズのような映画になっており、不気味で静かという意味では、派手さはないものの、見ていて満足度は高かった。
一つ気になるのは、研究員のマスクのかけ方のテキトーさね。
あんな状態でマスクしたんじゃ、簡単にいろいろ入ってきちゃいますよ!
コロナで教わってないんですか!!っていう突っ込みはしたくなる映画だよね。
まあ、2020年だ、おおめにみよう。