レッド・ロケットを見ました。
ドラマ、コメディドラマかな。
ヒューマントラストシネマ渋谷です。
結構人が入ってないので、見やすくていいですね。(それでいいのかって気はするけど)
単館系が多いので、入りが少ないのはまあ、って感じかな。
同時期にやってるモンゴル映画のアレもみたいけど。
いや、そこは人食い族を見に行くべきか・・・。
で、レッドロケットですね。
タイトルは、とあるスラングが元になっているそうです。ググってみてください。
フロリダプロジェクトの監督、ショーンベイカーです。
フロリダプロジェクト、最初みたとき、マジヤバくてどうしようか、と思ったほど傑作でした。
で、レッドロケットですけど。
その真逆を行くような感じの映画ですね。コミカル要素が結構強い。
主人公は、そこそこもう、良い年下おっさんです。40超えてるんじゃないかな。
元ポルノ俳優。地元、テキサスに帰ってくるわけですよ。バスでね。
なんにも荷物を持たずに、タンクトップで、てくてく歩いてく。
映像感が良いですね。フィルムの感じ。
汗だくでどこに行くのかと言ったら、どうやら田舎の中年の女性の家。
やあ!会いたかったよ!
アンタ何しに来たの?
俺もうれしいよ!
と、もう押しかけ具合が凄いわけなんですけど。
何日か泊めてくれないか?一日でいいんだ。
そんな感じで転がり込むんですね。
どうやら、二人は夫婦らしくって。
で、俺はここからやり直すんだっていってるわけね。
服も着の身着のまましか持ってなくて、荷物もなくって。
着替える服もないから、奥さんのお母さんの服を着て、転職活動。
でも、ポルノ俳優と聞くと、誰も雇っちゃくれない。
どうしたらいいんだろって、仕事を探してく。
で、これ別に暗い話じゃないんですね。
主人公のおかげというべきか。
底なしに薄っぺらくて、底なしに明るいんですよ。彼。
テキサスの片田舎、きっと底辺から、這い上がってきたんですよ。口は達者で、言ってることは薄っぺらいんです、いつも。
ヒモみたいな、それこそ犬みたいに、ハッハッと舌をだして、女の尻おっかけていくような。
自己肯定感が何故か高いんですけどね。
俺はすごいんだって。
底なしに明るいんだけど、この映画に出てくる登場人物たちは、どいつもこいつも底辺で最低だったりするんですけどね。
どこか、薄暗い影が見える。でもちゃんと見えないし、ちゃんと説明しない。
これはフロリダプロジェクトの時と一緒ですけど。
彼もね、底辺から這い上がってきたのかな、って思うわけですよ。
自分の田舎なのに実家に帰らない。
両親の話はミリも出てこない。
一人で生きていくんだ、誰にも頼らないけど、誰でも頼って、使えるものは使って生きてきた、そんな感じなんだね。
コメディ要素の強い人間ドラマの中で、時折見せる周りの人々の哀愁、そんなのが漂っているわけですね。
だがなんだかんだ、ほんとに素っ裸で生きていく。己のみの。
最低だが憎めない、そんな感じの映画になっているわけですね。
主人公を許容できるか、どうか、がこの映画を楽しめる鍵かもしれませんね。
ところで、途中で18歳ぐらいのティーンエージャー役の少女、というか女性が出てくるわけですけど。
とってもエロくていい味だしてますね。
そばかすもチャーミングで。今後が楽しみです。