二月の鯨

週3~5回いく映画鑑賞感想、たまに消化する積みゲーの感想、映画祭やドラマの話


映画作品鑑賞リスト2024
鑑賞リスト

映画:レッド・ロケット。どうしようもない最低ヤロー。だが憎めない。だが最低。

www.youtube.com

レッド・ロケットを見ました。

ドラマ、コメディドラマかな。

ヒューマントラストシネマ渋谷です。

結構人が入ってないので、見やすくていいですね。(それでいいのかって気はするけど)

 

単館系が多いので、入りが少ないのはまあ、って感じかな。

同時期にやってるモンゴル映画のアレもみたいけど。

いや、そこは人食い族を見に行くべきか・・・。

 

で、レッドロケットですね。

タイトルは、とあるスラングが元になっているそうです。ググってみてください。

 

javok.hatenablog.com

フロリダプロジェクトの監督、ショーンベイカーです。

フロリダプロジェクト、最初みたとき、マジヤバくてどうしようか、と思ったほど傑作でした。

 

で、レッドロケットですけど。

その真逆を行くような感じの映画ですね。コミカル要素が結構強い。

 

主人公は、そこそこもう、良い年下おっさんです。40超えてるんじゃないかな。

元ポルノ俳優。地元、テキサスに帰ってくるわけですよ。バスでね。

なんにも荷物を持たずに、タンクトップで、てくてく歩いてく。

映像感が良いですね。フィルムの感じ。

 

汗だくでどこに行くのかと言ったら、どうやら田舎の中年の女性の家。

やあ!会いたかったよ!

アンタ何しに来たの?

俺もうれしいよ!

 

と、もう押しかけ具合が凄いわけなんですけど。

何日か泊めてくれないか?一日でいいんだ。

 

そんな感じで転がり込むんですね。

どうやら、二人は夫婦らしくって。

 

で、俺はここからやり直すんだっていってるわけね。

服も着の身着のまましか持ってなくて、荷物もなくって。

着替える服もないから、奥さんのお母さんの服を着て、転職活動。

 

でも、ポルノ俳優と聞くと、誰も雇っちゃくれない。

どうしたらいいんだろって、仕事を探してく。

 

で、これ別に暗い話じゃないんですね。

主人公のおかげというべきか。

底なしに薄っぺらくて、底なしに明るいんですよ。彼。

テキサスの片田舎、きっと底辺から、這い上がってきたんですよ。口は達者で、言ってることは薄っぺらいんです、いつも。

ヒモみたいな、それこそ犬みたいに、ハッハッと舌をだして、女の尻おっかけていくような。

自己肯定感が何故か高いんですけどね。

俺はすごいんだって。

 

底なしに明るいんだけど、この映画に出てくる登場人物たちは、どいつもこいつも底辺で最低だったりするんですけどね。

 

どこか、薄暗い影が見える。でもちゃんと見えないし、ちゃんと説明しない。

これはフロリダプロジェクトの時と一緒ですけど。

 

彼もね、底辺から這い上がってきたのかな、って思うわけですよ。

自分の田舎なのに実家に帰らない。

両親の話はミリも出てこない。

一人で生きていくんだ、誰にも頼らないけど、誰でも頼って、使えるものは使って生きてきた、そんな感じなんだね。

 

コメディ要素の強い人間ドラマの中で、時折見せる周りの人々の哀愁、そんなのが漂っているわけですね。

 

だがなんだかんだ、ほんとに素っ裸で生きていく。己のみの。

 

最低だが憎めない、そんな感じの映画になっているわけですね。

主人公を許容できるか、どうか、がこの映画を楽しめる鍵かもしれませんね。

 

ところで、途中で18歳ぐらいのティーンエージャー役の少女、というか女性が出てくるわけですけど。

とってもエロくていい味だしてますね。

そばかすもチャーミングで。今後が楽しみです。

https://www.transformer.co.jp/m/redrocket/pre/img/sns.jpg

©2015-2019 javok's diary