ミセス・ハリス、家政婦さん。
働いていたところのおうちの、奥様のドレスを一目見て、ああ素敵。
見ているだけで心が躍る。
奥様は、500ポンドよ、と値段のポロリ。
500ポンドか・・貯まるのはいつかしら・・と夢を見ながら、こつこつお金を貯める。
家政婦業を増やしてみたり、色々なところからお金を集めて。
そして、ついにハリスはパリへ!
憧れのクリスチャン・ディオールに服を買いに行くことになるのですが・・。
って話なんですけどね。
まあなんていうかさあ。
良。
明日会社いこ、って思える映画なんですわ。もうね。
主人公が、もうおばさんていうか、おばあちゃん手前の何歳なんだ。50代ぐらいなんだよね。
夫を戦争で亡くしてね、一人でね。
こつこつお金貯めて、パリに行くんだよ、飛行機に乗ったこともないけど、パリにね。
飛んだの?飛んだかしら?!まだ?!とんだ?
みたいなやり取りを、隣の男性にしちゃってたりね。
パリに着くや否や、フランスでは労働運動が起きてて、町は汚いし、ストライキしてるし。
俺らは仕事なんかしねぇぜ!っていって、駅の待合室で、フランスパンかじりながら、ワインを飲む老人たち。
フランスパンとワインってのが面白いね。
ハリスおばさんは、なんていうか、
善
って感じの人なんだよね。
天然でお人好しで、美しい服が好きで、その思いでフランスまで行っちゃうんだ。
でも、オートクチュールの服だから、購入してから、サイズ測って、ドレスにするまで何日もかかるってことを知らずに、フランスまで買い付けにいっちゃうわけね。
そんなのしらないわよう!すぐ帰らなきゃいけないのにぃ!
って。
そらそうなんだ。でもなんか、なんですかね、もうピュアすぎるんだ、おばさんが。
頑張れ!
って私も応援しちゃうんだ。
金持ちしか買いに来ないディオールの服を、家政婦のおばさんが買いに来たわよ!と、一般スタッフは、なんだか楽しくて仕方がない。
1950年代当時のフランスの労働運動やら、ディオールのオートクチュール売買事情などを背景にしつつ、オシャレにコメディを展開してくれる。
当時、ブランドの服は、オートクチュールでしか購入できない高級品だったんですね。
やがて、それをデパートで売れるようにしていったのが、彼だったわけですが。
癒された映画でした。