アーカイヴを見ました。
U-NEXTですね。
アマプラもあった気がする。
SF映画です。
SF映画といえばSF映画なんですが、アクションは薄目。どちらかというと内側に入った落ち着いた映画になっています。
主人公はとある科学者。
日本の山梨県の奥地で、人工知能とロボットの実験をしてるのね。
契約期間は3年。
それまでに、ロボットを完成させたい。
自動車事故で亡くした妻のー。
という話ね。
ま、よくあるロボット映画ですね、という入りではあります。
日本が舞台っていうのは、攻殻機動隊やらブレードランナー的なものへのオマージュかなって感じはあるね。
ロボットが最終的に浮かび上がる皮膚被膜シーンでは、攻殻機動隊のソレ感はよく出ている。
日本での撮影はほぼできないから、頑張って日本感を出すために、ナンバープレートをそれっぽく引用したり(とはいえ、完全に同じにしてないのは、未来感を出すためだと思うが)、モミジっぽいものを場所によっては利用したりしている。
そして彼は、一人山奥でロボットを作る。
5歳ぐらいの知能の1号、15歳ぐらいの知能の2号。
そして3号は、奥さんのプロトタイプとして。
3号が動き出すシーンは、なんだかリアル感があっていたたまれない。
要するに、彼は亡くした奥さんをロボットで生き返らせようとしているということなのだ。彼の自分勝手なエゴである。
そのくせ、大丈夫だ、俺を信じろ、と説く。その一方で、1号にも2号にも家族のように可愛がる。
しかし、次第に3号に情熱を注いでいく主人を、2号は恨めしそうに見ている。
ここらへんの二号はとても切ない。
図らずも、完全に闇落ちしてしまわないのは、1号も2号も奥さんがAIのモデルになっているわけだからだが、その彼女の精神モデルが故に、どんどん事態は深みにはまっていくのである。
そうして、彼が辿るべくして辿っていってしまう結末があるわけだが、
この反転もとてもバランスの良い出来になっている。
B級ながらも見ごたえ十分な、落ち着いた悲しみの近未来SF映画となっていました。
本を読んだ後のような読後感がありよかった。