ナディアの誓いを見てきました。日本ではすでに公開済みだったのですが、わたしがその存在を知らなかったので、良い機会でした。
わずか23才のナディア・ムラド・バシ・タハ氏が、決意し自分に起こったことを証言し続け、国連に訴えかけ続けたドキュメンタリーです。
この映画は、難民映画祭2019で上映していたのですが、
なんと、難民映画祭は映画が全部無料です。凄いですね。
来年もあったら参加したいところです。
さて、映画の内容ですが、
ナディアは、ヤジディ教徒で、自分が住んでいた村をISISに襲われ、家族を殺され、性奴隷となったが、そこから奇跡的に逃れた。
その後、彼女はそのまま普通の人生を生きることは選ばず、残してきた同胞の為に、彼らが解放されるべく、ISISの戦争犯罪として訴えるべく、自分が被害者としての証言を続けてきた。という話です。
美容院を開くのが夢だった、と彼女はいう。
今はそれも叶わない。
普通の女の子として生きていくということも考えると彼女はいう。
でも同胞のことを思うと、そうではいられない。
わたしは活動家ではなく、難民なのだと。
インタビュアーたちは、誰しも彼女の身に起きたこと、感じたこと、これからどうしたいかを質問する。
けれど、ナディアはいう。
わたしが聞かれたいのはそういうことじゃなく、ヤジディはこれからどうなるのか、同胞たちは助かるのか、そういうことを聞いて欲しいと。
映画を見ていると、彼女の覚悟が。
ラジオで、自分のことを語る彼女が、
小さいゴムを手でいじりながら、ひねっている。
このシーンが辛い。
同胞たちとデモをしながら、彼女がたまに泣き出す。
すると、仲間が彼女に寄り添い、泣かないでおくれ、君に力を貰っているんだ、君が泣いたらみんなが泣いてしまうよと。
そんな彼女の立ち向かう姿を見ていると、泣いたらいけないのに、わたしも泣いてしまう。
この映画の彼女の過去の話を見ながら、わたしは別の映画を思い出していた。
バハールの涙。
この映画を見たときも、なかなか辛かったのだけど、この映画と序盤が一緒だったから、あれ?と思って調べたら、バハールの涙はもともとヤジディ教徒の襲撃事件を元にしていた。なんと、ナディア・ムラドのことを知る前に、事件のことをわたしは知っていたのだ。数奇な巡り合わせだ。
最後まで、涙が止まらなかった、ドキュメンタリーでした。
ナディアの誓い、良かったです。まず、世界のことを知ることから。
ちなみに、このナディア・ムラドの著書のTHE LAST GIRLという本が出ています。
図書館にもあるようなので・・今借りている本を読んだら、早速読んでみたいですね。

THE LAST GIRLーイスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語―
- 作者: ナディア・ムラド,吉井智津
- 出版社/メーカー: 東洋館出版社
- 発売日: 2018/11/30
- メディア: 単行本
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家でないと読めない気はするが・・・。