ソフト/クワイエットを見ました。
スリラーかな。
ヒューマントラストシネマ渋谷です。
客の入りは、単館系のスリラー映画の割には、それなりに人が入ってたかな。
半分はいない。
主人公は、エミリー。長身のすらっとした女性。
彼女がトイレにいるところから始まるんだけどね。
最初の始まりは結構面白いわけ。
なんでかっていうと、カメラがワンカットなんですわ。
で、中心に映る人物がどんどん変わっていく。
ただね、ずっと見ていると、なんかカットされている気分になるんだよね。
なんでだろね。
造られたホームビデオのように、そこまで視点は疲れないかな。変な揺れもそんななくて。
ただね、疲れるのは物語のほうね。
エミリーは、今日会合を開く予定なの。
教会の一室を借りて、お手製のパイを持って。
白人至上主義なうら若き女性たちによる、会合を結成しようとしてたんだわ。
でも、話が聞こえていたのか、牧師さんがもう出て行ってくれ。とエミリーに断りを入れるんだね。
仕方なく、エミリーは彼女らを連れ立って、自宅に連れて行こうとするんだけど、途中で出会った、アジア系の女性たちと口論。
それをきっかけとして、よからぬ方向にことが動いていくんだけどね。
ノンストップ映画のスリラーやホラーだとあるあるなんだけど、この映画
もう始終ストレスが凄い。
考えなしに行動してしまったり、言動と行動が一貫性なかったり、人の汚い・醜い部分がたくさん出ているわけね。
なんかまるで、CUBEに出てくる警官を見ているように、正当に見えるような人間の皮を一枚めくれば醜い部分が見えるように、元から醜い人が繕っている部分が露呈して、なんかゲロ吐きそうなんですね。
これがね、ウォーキング・デッドだったら全然大丈夫なんですよ。
色々な登場人物たちへ感情移入しながらも、人間の汚い部分が見えて隠れて、そういう葛藤があるからね。
ただね、この映画はなんだかすごくストレスフルなのね。
実際、こういうことがあったら、人間というのは考えもなしにこういう行動をしてしまうだろうし、泣きながらリンス拭いてるだろうし、何が何だかよくわからない、そうなるだろうと思うのね。
ただね、視聴するにはつらい、だが寝ない。なんか気になる。っていうそういう映画でね。
とにもかくにも、見てると疲れる、そういう映画だった。
まあ、でもさ、実際さ、人種差別の話とか、この映画そのものが実際におきたら、こういうストレスを受けると思うわけね。
だから、そういう意味では、
まるで自分もそこに加わったような臨場感はあるわけですよ。
もちろんこっちは、鑑賞者だから、事の次第を絶対に止められないわけですよ。
鑑賞者は、見ているだけ、止められない、ここは凄いよくできているのね。
当事者だけど何もできない、見ているだけ、実際にそこに居たら止められる?止められないでしょ?って。
だから見ながら想像したよ、私なら、この中の誰かな、って。
まるでミヒャエル・ハネケのファニー・ゲームのように、人の家に上がり込むわけです。
最後あたりで、役者がこちらを見てくれたらハネケかな、とも思った。
ただ、ハネケの方が好きだけどね。