犬猿を見ました。
U-NEXTです。
吉田恵輔監督ですね。
彼の作品は、ヒメアノールと、空白ぐらいなんですけど。
軽くジャブ打ってくるかと思うと、いきなり重いパンチ打ってくる
そんな映画です。
今回もね、結構そうよね。でも割とジャブ多めかな。
仲の悪い兄弟、姉妹が主人公なんだけどね。
弟:窪田正孝、兄:新井浩文。
妹:筧美和子、姉:江上敬子。
窪田正孝は、営業マンなんだけどさ。印刷屋さんとの取引で江上敬子の姉妹とやり取りすることがあって。
江上敬子は、そんな窪田正孝に好意を持ってる。
だから、納期だったり、売り上げだったりも、無理をして印刷を引き受ける。
妹も一緒に働いているが、お姉ちゃんはどうやら社長らしい。
この年で?
そう、父親は寝たきりになってしまって倒れたのだ。
母はまだ生きているが、印刷屋の社長は敬子の仕事。
父親の面倒も敬子の仕事。下の世話も、体を拭くのも敬子だ。
妹は、私は用事があるから残業できない、英語の勉強がある、といって家事をしない。
母親は、そんな妹をみて、少しぐらい手伝いなさい、と叱ってじゃがいもをむかせるわけだが、手伝い始めた途端、姉がキッチンにやってきて、
ジャガイモの皮のむき方が下手だ、あんたは下手なんだからあっちいってなさい。
邪魔
と言って追い出すのね。
姉は、自分の容姿を気にしていて、私はデブでブス、どうせ私なんか、と思っている。
そうして、仕事ができない、家事もできない、頭もよくない妹をバカにすることで自分を保っている。
妹は妹で、自分はバカだってわかってる。頑張ろうとしてる、でも頑張ろうとした瞬間、アンタはバカだ、できない子だ、顔だけよ。と言われて、できない子を演じている。
この構図はなんていうか、仕事でいうところの、パワハラの構図と似ているよね。
お前はバカだ、なんでこんな考え方をするんだ、といわれた部下はどんどんどんどんやる気を失っていく。
一方、窪田正孝は兄からの電話に出たくなかった。
この前まで刑務所に入っていた兄からの催促だからだ。
しばらくお前んち泊めてくれ、金かしてくれ。
父親の借金をコツコツサラリーマンの薄給で返そうとする弟。
兄なんて、いなければよかったのに。
お互いにお互いを嫌っていて、本当にあいつは嫌なやつだ。とじりじり攻めてくる。
でも、本当は相手のことを一番よくわかってる。
そんな兄弟たちのコメディドラマになっています。
自分ちは、兄弟仲悪いとか、そういうのないからアレだけど。
どこの家族もいろいろあるよな・・。
それにしても、新井浩文・・惜しい人がいなくなってしまったよね。
彼の役者として出てる映画は、結構好きだった。
さすがにあの一件で、復帰するのは難しそうだ。
偶然にも、新井浩文は実刑で5年の刑を食らうことになったわけだが。