あなたとのキスまでの距離、をみました。
日本では劇場未公開作品です。Amazon Primeビデオで無料だったのでみれました。
元々は、三宅さんが本の中で紹介してた作品で興味を持ちました。
三宅さんの選ぶ映画の着眼点がよくて、映画の見方も好きなので、
もしよければ是非読んでみてください。
これ、なんで劇場公開しなかったんですか?: スクリプトドクターが教える未公開映画の愉しみ方
- 作者: 三宅隆太
- 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
- 発売日: 2017/03/07
- メディア: 単行本
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ちなみに、この映画邦題のタイトルが、
あなたとのキスまでの距離
ていうやつなんですけど、全くもって、
ラブコメではございません!
ストーリーの内容はっていうと、イギリスからの留学生である小娘が、ホームステイ先のお父さんに惹かれていっちゃうていう話なんで、そうですね、あ、不倫ですか?じゃあ・・・
みたいな話かもしれないですが、そうではありません。
いたく真面目なドラマになっています。
お父さんのキース(ガイピアーズ)は、昔ミュージシャンで、音楽関係の夢を抱いていたんだけど、子供ができたから、結婚して、家を買って、教師の職に就いた。
でも、夢を諦められなくて、楽団の試験を受けたりしている。
しかし、妻は夫のそういうことには興味がなく、娘や育児にしか関心がない。
そんな夫は、息苦し日々を過ごしている。
そこへやってくる留学生ソフィー。彼女もまた、ピアノの才覚があり、センシティブで、夫婦のやり取りをみていて夫の息苦しさに気づいてしまう。
そして、嫌が応にも近づいていく二人。
で、これまた凄いのが、
二人ともの眼の眼差しがすごいんですよ。
眼で会話してくる。
もちろん、何かおかしいわね、と感づき始める妻の眼の恐ろしさにも注目したい。
そんなある日、二人で話すきっかけがあって、キースが、いうわけですよ。
家族もいるし、夢を諦めないといけない時だってあると。みんなそうだろ?
そこでソフィーはいうわけです。
自分で選べないなら、生きていたくないと。
決定的な一言を受けて、キースの心が変わってゆく。
今までの息苦しさが嘘のよう、まさに今やっと、
空気を吸い込んでいる(Breathe In)
ラストシーンがとても切ないので、ネタバレしてしまいますが、
ほんとに、このあたりから、映画が、
ジリジリジリジリしてくるんですよ。
あぁ・・ああ・・しかしどうしろと、とー。
そして、ラストシーンでついに、キースが
ピアノの蓋を閉じてしまうんです。
このシーンがとてつもなく切ない。
最後に撮影する家族写真。
笑ってと言われてもキースはもう笑えない。
ちょっと泣きそうでした。