アングスト/不安を見ました。
去年ぐらいに上映されていたんですが、見ることがかなわなかったので見ることに。
実在の殺人鬼、ヴェルナー・クニーセクの殺人事件がもとになっている本作です。
こういう気持ち悪い映画は久々に見ましたね。
この映画、あまり会話がないんですよ。
本人(ヴェルナー)が思っていること、考えていたことがナレーションで入ってくることがほとんどです。
登場人物たちはたまにしゃべるんですけどね。
この映画のなんか気持ち悪い、と感じる点はまずなんといってもカメラワークです。
主人公を中心にして、景色だけが動くような、自分にカメラを向けたような撮り方をしているシーンがあるんですね
1980年代にこれとってるんか・・と思ったら新しいな感とてもあります。
と、同時に鬼気迫るシーンになっていてとても怖い感じがします。
かつ、主人公がダイナーでウィンナーを貪り食う姿なんかは、顔や口のどアップになっていて、さらに気持ち悪い。
よくぞやってくれたな。
ウィンナーを貪り食いながら、若い女たちをどう殺そうか、って物色しているわけですが、このシーンおそらく、彼の性的欲求というか、快楽というか、そういうのとウィンナーを食う、ということを掛けている感じです。
ウィンナーの食べ方もきもいですね!!!
そうこうして問題の家族襲撃事件へと発展していくんですが。
この殺人事件の様相がとてもすごいんですよ。
無計画きまわりなくて、衝動だけで襲い掛かっている。その様を終始、他人軸で自己観察しながらのナレーション。
しかし、当人は汗はダラダラだし、人を捕まえるのも必死だし、衝動にかられて次々と行動を起こす。
その行動そのものが狂人なんですよ。
でも彼にとって、その感情は普通だから淡々とナレーションが続く。
衝動にかられているその行動はすさまじいのに、落ち着いたナレーションが響いて気持ち悪い感が増す。
殺人事件のシーンは、なかなかの気持ち悪さでした。
サスペンス映画とかで、リアル系を鑑みた気持ち悪い映画は初めてで、なかなかの衝撃作でした。
ビジュアル的にも、手袋をはめてウィンナーを食うシーンも凄い。
てか、後始末シーンも衝撃なんだけどな。
一見してもいいと思う映画です。
ただし、好き・嫌いは分かれるし、見ていると気持ち悪くなるかもしれない。