アルプススタンドのはしの方、を見ました。
青春映画x邦画ときいて、はていったいどんな映画なのやら。と思ったんですがね。
結論から言いましょう。
イイです
何がいいかは後で説明しますが、この映画。
母校の野球の応援に来たんだけど、スタンドのはしの後ろの方でみよっかなーぐらいの感度で応援にやってくるんですよ。
野球のルールもろくにしらないし、みんなあんなに声はりあげちゃって、相手の高校は甲子園常連校で勝てるわけないのにねぇ~~~
みたいなノリで観戦しているんですけどね。
それが徐々に変わっていくんですね。
この映画は、会話劇になっています。
演劇みたいな感じの映画だったので鑑賞後調べてみたところ、どうやら高校生の演劇が原作だったみたいです、なるほど。
なので、結構説明台詞が多いです。
野球が今どのような感じで進んでいるのかとか、野球部の園田くんがどんな気持ちでバッターとして立っているのかなとか、感情を説明してきます。
彼らは最後まで出てこないので、感情をうかがうことはできません。
そうして、アルプススタンドのはしの方で応援する4人の青春が始まるんですね。
青春ってなんだっけ?みたいな話をするわけですけどね。
少しネタバレで話すとさ。
みんな何かを諦めているんですよね、まだ20もいってないのにね。
勝てるわけないのになんでみんなあんな一生懸命なんだろうね、可哀そうだよね。
インフルエンザが出てさ、全国大会に行けなかったんだよね、しょうがないよね。
だって、俺勝てないじゃん、なんで頑張る必要あるかな、だっせぇじゃん。
他のことに時間使った方が有意義じゃん?しょうがないよ。
わかるよ。わたしもしょうがないは口癖さ。
しょうがない、は魔法の言葉。境遇とか、運命のせいにしてしまえばいい。
自分から諦めてしまえば傷つかないし、楽だし。
でも、その言葉を発しているときの彼らは、
野球が、演劇が、大好きなんだよ、本当はという顔をしているのだ。
この映画は、彼らが感じていることを直接的な表現の言葉で訴えかけてくる。
ストレートすぎる手法は私はあまり好きじゃないが、このストレートさは若さゆえの、そして青いからと考えると、とてもしっくりきてしまう。
いくつになったっていい、本当は。諦めなくてもいい。
そういうことを思い出させてくれる映画になっています。
桐島部活辞めるってよ、とはある種、また方向性が別の映画だなと感じます。
十代を忘れた大人にこそ響く感じの映画になっているかもしれない。