マリッジ・ストーリーを見ました。原題もMarrige Story。
結婚物語っていう題名な訳だけど、
この映画離婚するところから始まる。
離婚するところから始まるというと、あの映画を思い出す。
ブルーバレンタイン。
あれは、幸せだった日々と、そうではない日々が交互にやってきてなかなか辛い映画だったのを思い出す。
この映画はそうではない、そういう日々が交互にやってくる訳じゃない。
この映画は、ニコールとチャーリーがお互いの好きなところをお互いに喋っているところから始まる。ちょっとネタバレで行きましょう。
始まりはブルーバレンタインを思い出す。あの時どう感じていたのか?
でも、現実は待ってくれない。
あの幸せな日々を、この映画は映像では見せてくれない。
この二人の会話劇に寄るところが多い。そこがいい。
ニコールが、ロサンゼルスの弁護士を雇うことになって会いにいく。そこで、旦那との馴れ初めを話し始める。
やたらと長いショットで、ニコールは、このお茶美味しいわね、このクッキー美味しいわねとか言いながら、チャーリーの話をし始める。
あの時は楽しかったという思い出を語っていて、皮肉にも笑顔なのに思い出したように涙が出てくる。
ああ、そうか、もう過去なんだ。
そうして、離婚の話し合いが始まる。ニコールがどうして離婚に至ったのかのその想いを聞いているとやるせない。
でも、どうしてそう思ったかは、チャーリーには決して言わない。
あなたがそれに気づかないからだよと。
そうしてコミカルにもどんどん離婚の話は、裁判にともつれて行く。お互いに負けず嫌いという言葉を少し思い出すw
二人の言い合いのシーンはなかなかの迫力だった。二人の掛け合いがとてもいい。
この映画は、重苦しい映画というわけではなく、ちょいちょいコミカルで、クスリと笑えるようなシーンもありつつ、時にハッと切なくなってしまうような映画だ。
そうして、ブルーバレンタインと確実なる違いは、
離婚しようとしているハズなのになぜか、心が暖かくなってしまうのである。
ラストシーンでニコールが見せる何気ない行動とチャーリーの何気ない一言は、この結末も悪くない、そう思わせるのでした。
いい映画でした。