冬の旅を見ました。
淀川さんの本で紹介されていたので、いつかみたいなと思っていたのですが、日本ではDVD発売されてないんですよね。
どうしようかなと思っていたら、さすが早稲田松竹、上映してくれました。
監督はアニエス・ヴェルタ、フランス映画です。
ある若い女性が、冬の農場で凍死体として発見されるんですね。
その人の死ぬ前の数週間を追った映画になっています。
主人公はモネ。宿無し、定職なし。
薄いテントを張って暮らしてるんですね。ある日は、墓でテントを張ったり、気にしない。
お風呂は中々入れない、髪の毛はごわごわ。海で水浴びをして、裸で出てくる。見られても気にしない。
たまに、バイトはないか?と声をかけて仕事にありつく。
彼女とかかわった人々が、インタビュー形式、警察の聞き込みの調子で出てくる。
あの娘はとんでもない、兎に角臭い。仕事もつかないで、自堕落だ。
そんな言われ方している中には、彼女と売春してるおっさんまでいてねえ。
せっかくよくしてやったのに、と世間はいっちゃうんだね。
彼女はさすらうなかで、犯罪にも出逢い、変な連中にも出逢い、命からがらにもなり。
定職にはつかない、確かに、そうなのだが。
何故か、それを嫌がっているようなそのような感じなんですね。
一方では、仕事をせず、薬に手を出し、そのような。
しかし一方では、親切にされるたび、居心地の悪さを覚えて。
本当に良い人も中には出てきて、一瞬、世話になろうともするんだね。
それはきっと、彼女が同じはみ出し者だと感じるような、寂しい雰囲気を感じ取ったからかもしれないが。
そうして、冬の旅は続き、終わりを迎える。
ただただ、旅を見続ける。