幼い依頼人を見ました。
Amazon Primeですね。字幕版だけ置いてありました。
こちらは、実際の事件をもとにした映画になっています。
事件とは、兄弟構成、年齢等が異なっていますね。
こちらの映画、主人公はとりあえず無職のおじちゃん。
就職活動のさなか、面接で
ある一人の人間が殺された事件の話において、傍観していた40人弱の人間たちは、有罪か?無罪か?と面接官に聞かれるんですね。
その中で、ほとんどの面接者が有罪だ、と答えるも主人公は無罪だと主張する。
自分らも痛い目を見そうだから、何もすることができなかった、怖くて、だから無罪だ、と。
それの話が、この映画の物語でも要所要所でてくるわけなんですけどね。
この主人公は、就職手前に、資格を大量に持っているからと、児童福祉士として働き始めるんです。
そこである二人の兄弟と会う。
お姉ちゃんは10歳で、弟は8歳。
二人は仲が良いんだけど、お父さんはほぼ育児放棄してて、昼飯はお姉ちゃんがご飯を作ってあげる。弟は箸がうまく使えないから、韓国のりで巻いてごはんを食べる。
ある日、お父さんが新しいお母さんを連れてきて結婚するっていうのね。
最初は、問題ないかと思っていた子供たちだったけど、新しいお母さんの裏の顔が見え始めて・・っていう話なのね。
この映画、その兄弟をどう救うのかっていう話になっているんだけど、韓国映画あるあるで、冒頭の方は、基本コメディなの。
で、途中から、すごいシリアスになってくる。
実際の事件が元になっているので、それはもう
主張がすごいのね
実際に大事なんだけど
ちなみにもとになった事件はこれ
この事件をきっかけに、問題となっている法律の部分が是正された。
映画では、法にも言及しているように、事件の時点では、
加害者が親だった場合、子供を親から隔離することは、親の承諾をなしにはできない。
ということ。命の危険があっても、親元から話すことができないってことだ。が、それを児童福祉の人がする権限が与えられるようになったということらしい。
映画を見ながら、なぜ子供を保護しないんだ・・?? みたいな感じで見ていたが、法律的にそれができないということだった。
なんていうこった!!!
そう、だから10歳の少女がなぜ、弟を殺したと自白したのか?ということなのである。
そしてもちろんこの映画は、ストレートに傍観者を非難する。
下の階に住む奥さんは、上の階の子が虐待されていることを知っているけど、興味本位で声をかけるだけ、日夜やばい喧嘩をしていても、夫の耳クソをほじっている。
また始まった。
近所の人たちは、そう思うだけで助ける声を聴かなかったことにして火の粉を振り払う。
主人公は、母親に問う、母親とは母性はなにかと。
この映画では、至極当たり前に、ストレートに母親を非難する。
それは間違ってないと思う、だって虐待してたのは彼女だし。
ただ、
親父の醜悪性が薄れていると思わないか
逆の事件って結構よくある。親父が虐待してて、妻にも虐待してて、子供にも虐待してたパターン。
この映画の場合、親父はほとんど家にいない、どう考えても虐待していることをわかっているし、公園で会う親父は、
俺の子供だ、殺したってかまわないだろ
と吐き捨てる。
この映画では、親父の醜悪性は、母親の醜悪性の強さによって少し薄まっている気すらする(特に後半では)
なぜわたしばかりをせめるの?母親だから?と。
実父に対しての責めが少ないように感じる、でも母親への責めは間違ってないと思う、というちょっともやもやする映画でした。
傍観者の話を一番最初にするのなら、傍観者の話をもっと一番最後にも引き合いに出してほしかった気もする。
ただ、この映画主張は大事だと思う。