スラローム 少女の凍てつく心、を見ました。
フランス・ベルギー合作映画みたいですね。
15歳の少女がスキーのアスリートとしてのし上がっていく過程を、肉体・精神的な苦痛を軸に描いていく話です。
だから、勝ったぜ!!!やった!!!!
みたいなどきどきはらはらのクイーンズ・ギャンビット展開はありません。
この映画は三宅隆太さんが去年みた映画おすすめ10本にあったから見てみたヨ。
三宅さんは相変わらず目の付け所が・・みたいな映画をよく見てるので薦めてたらみちゃうよね。
で、スラローム。
原題はスラロームなんだけど、スラロームっていうのは、スキーでくねくねする動きあるでしょ。左に右にターン。
旗を軸に進んでいって、そのタイムを測るやつ、その競技なんだよね。
で、こちらの映画はそのスポーツ選手として成長しようとしていく少女15歳を主人公に描いていきます。
スキーチームに少女は入ったんだけど、親元を離れて暮らしててね。お母さんとは週末にしか会えないわけね。
コーチはめっちゃきついし、体重管理もガッツリ。大会前に檄を飛ばすし、ついてこれない奴は置いていく!みたいな感じの鬼コーチなんね。
でも、きついなりに鬼コーチの大人()としての優しさみたいな憧れで、気になってきてしまってね。
お父さんは出てこないからシングルマザーなんだけどね。
クリスマスに家族で過ごすのかと思いきや、お母さんはいい人がいるの、って娘に話すんだ。だから、クリスマスはパパと過ごしたら・・・?っていう会話もあってね。
誰にも必要とされていないのかな、って思っちゃう。
でも、コーチは必要としてくれている。
自分を見てくれている、そう感じ始めちゃうんだよね。
ある日、合宿の帰り道に、コーチがシャワーを浴びて着替えるところをモロに見てしまってね。
股間を注視!!!!
これはやばい予感がします・・・!!!!というショットですね。
いや、それにしても帰る途中に着替えが見える施設って大丈夫・・・なんすか?!
まあ、おいておこう。
そのあと、主人公はどんどんスキーがうまくなっていって、ある大会で優勝して、スポンサーまでつき始めるわけです。
いよいよ、鬼コーチが
主人公に期待し始めちゃうんですよ!!!
と、二人三脚の危なそうな関係に突入していくわけなんですけどね。
この映画のコーチは、そこそこクソなんですね、15の少女にだな・・ みたいな話になっていくので。
このコーチもオリンピックを目指した選手だったわけなのだけど、ケガをきっかけにその夢をあきらめざるを得なかったわけね。
そこで、有望な選手に、自分を重ねて共依存の関係になっていってしまうんですよ。
彼が見ているのは、彼女ではなく、
俺が育てた俺がなるべきだった、オリンピックに手が届くかもしれない俺
への執着なんですよ。だ
主人公は母も父も近くにおらず、ずっと自分を見てくれているコーチに心酔していく。期待してくれている。と。
そこで二人は共依存としての関係を爆発させてしまうわけなんですが、コーチの悪い意味での人間性が見て取れます。
わかっているのにやっている。やった後にわかってしまった、どっちもあるんだろうけど、いずれにしても
悪!!!!
なのは間違いないわけなんだ。
さあ、主人公よ、どうするんだ、君は、っていう。
友達も家族も誰にも相談できない、この悲痛さが見ていてつらい。何事もないように、タイルを拭かなきゃいけない。
ちなみに、主人公の女の子が背が低くて若く見えるので何歳かな・・って心配になっちゃったけど23歳だったみたいです。彼女の物言わぬ呆然とした瞳が魅力を放つ映画でした。