二月の鯨

週3~5回いく映画鑑賞感想、たまに消化する積みゲーの感想、映画祭やドラマの話


映画作品鑑賞リスト2024
鑑賞リスト

映画:荒れ野。そびえたつモチモチの木。

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荒れ野を見ました。

ネトフリオリジナルですね、スペインのホラー映画です。

 

とある荒野のだだっ広い場所でね、草木も乏しい場所で、3人家族が住んで暮らしているわけね。

夜中に子供が目を覚まして、陶器のようなものを自分の方に手繰り寄せようとするんだけど、あやまって割ってしまう。

どうやらそれは、おまるだったらしくて、お父さんが小屋の外にあるトイレまで付き添っていくわけね。

 

お父さんは銃を構えてトイレまでいくわけよ。

見渡す限り荒野で何もないし、人影もないし、隠れるところもないのにね。

息子は、恐々とあたりを見回すんだけど、

枯れ木が暗闇に不気味に映って気味が悪いのね。

もうなんだか、私はここらへんの描写で気分は

モチモチの木なのよ。

モチモチの木って小学校の教材とかで読んだりするじゃん?

あれって、主人公の男の子が、家の外にあるトイレに一人でいけないって話なのね。

モチモチの木が、揺れて襲ってきそうで怖いんよ。

じいちゃんについてってもらわないと、一人でトイレにもいけない。

って、いうあの話ね。

 

まあ、この映画、ネタバレでしか話せないんだけどさ。

主人公の男の子は、そこそこ弱虫で、優しくて。兎を殺して肉を食べることを教えようとお父さんがするんだけど、うまくできなくて、逃がしちゃうんだよね。

でも、しるしの外に兎が出ていくのに気づいて追うのをやめるのね。

しるしの外は危ないから出ちゃいけないからね。

しるしの外には何があるの?息子が父に聞いたら、あの外には戦争ばかりがあるんだよ、と。

そこで、お父さんは、細長い人影の怪物の話をするわけ。俺は信じてる、ってね。

 

しかし、ある日、川から血まみれの男が流れてくるんだよね。手当をしてあげたんだけど、男は家で自殺してしまって、お父さんは遺族に死んだことを知らせなくては、と一人馬に乗って出かけていくーっていう話。

 

この映画の奇妙なところはね、ある意味

全然全然ホラー的なことは起きないんですよ、ホラー的な描写とかね。

お父さんがいなくなって、それを待つ、っていう

戦争に行ったお父さんが帰ってこなかった節子と清太のような、はだしのゲンみたいなホラードラマになっているんだけど。

 

お母さんは、息子と二人でずっと、ずっと旦那の帰りを待っているのね。

そのうち、お母さんがちょっとずつ、ちょっとずつおかしくなっていくわけ。

その二人を例の細長い怪物が襲ってくる、っていう話なんだけどさ。

 

この映画、お母さんと息子の籠城ホラーなのよ

本当に何も出てこないの、何も見えないの、でも違うんだわ

見えないから怖いんだわ、それに不気味でさ。

小さい頃、夜トイレいくのやだなーとかなかった?ずっとあけられてない錆びた鉄製の小屋が怖いとか、体育館の倉庫がなぜか怖いく思えたり、放課後夜更けの校舎が怖く感じたり。

 

親父は映画の最初の方で言うんだよね、いつも手に巻いてた包帯を外しながら。

手には痛々しい傷跡があって、自分の両親は虐待してたって。

死ぬ前に姉さんは、見えなくてもあいつはいるのよ、って言葉を残したと。

 

いや、多分ね。

恐怖っていうのは目に見えないんだよね。

でもね、この映画はモチモチの木なのね。

モチモチの木では、大好きな爺ちゃんが腹を痛めて動けなくなるんだわ。

で、主人公は怖くて怖くてしょうがないけど、ふもとの村の医者のところまで、夜走って呼びに行くの。

大好きな爺ちゃんを助けたくてね。

親父と同じように赤い布を手に巻き付けたディエゴが、なんとも逞しくそれと重なるんだよね。

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