NetFlixで見れました。
白黒映画だけど珍しく、アマプラも、UNEXTにもおいてなかったんですよね。
山椒大夫を見るキッカケになったのは、町山さんのツイッターです。
町山さんのツイッターはフォローしてるんですが、いつもいろんな人と戦ってて、凄いな・・と思う反面、疲れないのかな・・とかちょっと思うんですが、私には到底真似できないので、最終的には凄いな・・って思います。
自分の意見や信念が確立してるんだと思うんですよね。私は疲れちゃうので、ツイッターはほとんどROMってますね。英語喋ってる海外の人のツイッターだと悪意のものであっても疲れないのでそういうのをよく見ています。
で、山椒大夫は本当にあった話なんだ、日本であった奴隷的な話なんだ、っていうわけなんですね。
そういう実態を描いたような映画って、日本のやつでほとんど見たことなくて、
というのも、自分の親父が、日本映画が嫌いだったから、日本映画を見る機会がなかったんですね、幼少期。
で、気づいたころにはもう大人になっていて、見なくちゃと思っているんだけど、年月がたつごとに映画もどんどん出ていて昔の映画のストックがたまっていくんですよ。
ヒッチコックの映画とか、今みても、全然面白いのに、なぜか見ていなかったりすることが多いんですよね。
日本映画も同じように手を付けられてなかったりする。
で前置きはこのぐらいで山椒大夫ですね。
山椒大夫っていうのは、確か平安時代かな。
平正氏が、将軍にたてついて左遷され、残された妻と、その息子・娘・召使い(?乳母?)が旅をしているときに、山賊に襲われて、生き別れる話なんですよ。
で、山椒大夫っていうのは、とある国の偉い地主みたいなやつで、そいつに息子の厨子王と、娘の安寿が人身売買されて奴隷として売られてしまうっていう話なんですね。
もうこの映画ネタバレでしか語れないので語りますけど。
この映画ね、余計なところは全部端折ってるの。
大事なところだけ、淡々とだけど壮絶に伝えてくるのね。
売られた兄弟は、山椒大夫のところで暮らすことになるんだけど、そこに住んでいる人たちは、人とは思えぬような暮らしをしていて、脱走しようとする人は周りの奴隷に見つかってつるし上げられたりするし、そこに先に住んでいる女の人は
私が自由になるのは死ぬ時だ
みたいなことをいうわけね。
そんなときでも安寿は、ずっと純粋で、いつかこの時を抜け出せる、人間としての心を忘れない、って思っている。
でも、厨子王は何をしたって無駄だ、もう駄目だ、って思っているワケ。
そんな折に、安寿は、子守歌みたいな、民謡みたいな歌を、同じ場所に住む女の人から教えてもらう。
その歌詞の中には、安寿恋しや、厨子王恋しやとうたっているではありませんか。
その歌を聞いたときの安寿の反応といったら。
その歌をどこで聞いたのですか、その歌を歌っていたのはだれですか。
母が実は佐渡で生きていることを知るわけです。
そんな折、私が自由になるのは死ぬ時だ、と言っていた女性が、病に伏し、ついに死にそうになるのですが、姥捨て山みたいなところに捨てて来い、と言われるわけですね。
そんなひどい。せめて、ここで死なせてあげて欲しい、と訴えるのもむなしく、
厨子王と安寿は、山に捨てに行くわけです。
そんな折、安寿は、今逃げるしかない、大丈夫、簡単には殺さないはずよ、と厨子王に訴えて、厨子王はその女性を連れて、山から逃げるわけなのですが、安寿が逃がしたことがばれてしまうわけです。
この後安寿がどうなったかについては、映画では詳しく描かれていません。
が、死んだことは明らかだった。
厨子王がこのあと大出世して、山椒大夫に復讐するのだが、その時に実の息子にのこぎりで首を挽かせるというなんとも、すごい描写があるそうだ(原作?にはあるらしい)
映画版ではそこらへんは一切省いている。
ちなみに、その部分を描かないのは良いと思う。
そこを描きすぎると、絵的にすごいむごいし、ある意味ホラーになってしまうし、(むしろ描かないことですでにホラーかもしれないが)、淡々と展開していく。
厨子王がすべてを失い、そしてなおも、母を求めて佐渡に渡る。
彼がついに、佐渡の浜辺の近くで、目の見えない老婆が、安寿恋しや、厨子王恋しや、と謳うのを聞いて、
母様!!
とかけよるわけだが、母は目がみえないから、息子だとは信じないのである。
なんてこと・・・・・!!!!!
もう駄目やめてつらい(号泣)ちょっとコレいつから出てるの、コレ。
そんな母に近寄り、自分は息子だと説明するさま、そしてとうとう母が息子だと分かった瞬間も衝撃的すぎて、というか私にはショックが大きすぎてだな。
もうそこのやり取りが凄いんだよ!!!!
なんか色んな感情が押し寄せてきてどうしていいか分からない
最後に、どんどん浜辺が遠くなっていって、波の音が聞こえてさ、なんか気分はROMAの逆回しなのさ。
良かったね、とも辛いねとも、悲しいねとも言えない最後で、感想としては
もうこの感情どうしていいかわからないんだが?!
という。
衝撃が凄い映画でした。
ちなみにですけど、この映画ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞らしいですね。
そしてまた衝撃だったのは
中島みゆきが夜会にしてる
ってことでしょうか。中島みゆきさすがすぎる。着眼点すごいです。
とりあえず、はぁはぁ・・疲れた・・・・ふぅ・・・・。
溝口健二監督か、覚えておこう。