ハーフ・オブ・イット 面白いのはこれからを見ました。
ネットフリックスのオリジナル映画ですね。
こちら、青春ハートフルコメディドラマですが。
なんということでしょう。
号泣したよ?どうしてくれんの?
私は、この映画予告も何もみずに見始めたんだけどさ、最初は、青春ラブコメブレックファーストクラブだと思っていたわけだよ。
それだけじゃないんだよ。
口で説明できないよ。
背景を説明しよう。
主人公は中国系移民の頭のキレる女の子、エリー・チュー。
みんなに、オタクだとか、チューチュー!っといわれて馬鹿にされたりする。
でも、頭が良くて、20ページの感想文?論文?の宿題を20ドルで肩代わりしている。
金を稼ぐ。
お父さんは、日長一日、家の中で映画を見ている。
二人で一緒にソファーに座って映画をなにをともなく見るのが日課だ。
こういうの見ているとわかるなあって思うな。
私の小さい頃も、日長一日テレビが友達で、行きたい場所はレンタルビデオ屋で、パッケージでの衝動借りしたり、裏面をみて借りるかどうか悩んだり、お年玉はモスバーガーとレンタルビデオとゲームにつぎ込んでなくなった。
プリグズビーベアを見ると思い出すよね。
ビデオテープって擦り切れるまで好きなやつ見るやん。
って話が脱線したよ。
でもまあ、このお父さんたちは好きでみているのとはちょっと違うんだ。
親父の表情がそれを物語っている。
ガウンを羽織って、働いているのか?という疑問も浮かびながら。
それもそのはずで、彼女の父親は、田舎の駅長をしている。
田舎だから、すごい沢山列車が来るわけじゃないし、娘が仕事を肩代わりしていることもある。
そんな彼女の家は、少し貧乏で、電気代を払えないときもある。
そんな彼女も、音楽のクラスのアスターに淡い恋心を寄せているのだ。
アスターの透き通る声だけが、彼女の耳によく届く。
教会でオルガンを弾いているエリー・チューは、彼女のことを知っていた。でも話しかけることはなかった。
その秘める思いを日の名残りで引用する。
日の名残りとは、アンソニー・ホプキンスが主演の執事のドラマだ。
秘めた思いを打ち明けられぬまま数十年が過ぎ、それを思い出す、という話だ。
ハーフ・オブ・イットでは、アメフト二軍の男の子ポールが、アスターのことを好きになるが、口下手のため、エリー・チューに
僕の代わりにラブレターを書いてほしい!
と告げる。最初は嫌がっていたエリーだったが、一通50ドルと聞くや、協力する方向に話が動いていくというわけだ。
アスターとエリーの手紙やチャットのやり取りは、オンラインゲームでのチャットのやり取りに似ているかもしれない。
本当の自分を隠したうえで、本当のことを喋る人もいれば、あらかた大嘘をついたような話をしている人もいる。(オンラインゲーム経験者)
この映画では前者で、ポールの姿を借りて、喋りたいことをアスターと共有していくのである。
お互いの悩みを打ち明けあい、惹かれあい、共感し、自分のことを理解できる人なんているわけないと思っていたのに、と。
その事実と、それを感じている自分に驚いてしまっている。
そして、馬鹿なほど子犬のようにしっぽを振ってじゃれてくるポールが愛おしくてたまらない(わたしがな)
アスターのことは好きだけど、ポールだったら・・とエリーは思ってしまうのだ。
でも、やっぱり登場人物は3人。別のところに物語は展開していく。
この映画では、真剣に深い話をするようでいて、軽いフットワークでその話の雰囲気を軽快に反転させていく。
だから、映画に共感して感動したと思って涙した瞬間に、笑ってしまえる楽しさもある。
おそらく、誰もが抱いてしまうであろう孤独があって、それと一生付き合っていくんだろうと思っていたのに、見つけてしまった。
見つけてしまった
その感覚が大きい。
たまたまね、見つけてしまった人が女の人だったってだけなのよ。
好きになった人間がたまたま女の人だったの。
アスターも大勢に囲まれていてもやはり孤独を感じている。
面白いのはアスターの周りの女の子はピンクのTシャツを皆着て、きゃっきゃしているけれど、アスターは別の服を着ていたりするわけだ。
アスターはエリーに言うんだよ、男の子の話をしない女の子に初めて会ったって。
わかるよ!!!!うざいよな!!!アスター友達になってくれ!!!
エリーにいたっては、かご付きのロードバイクで学校にかよっていて、ヘルメットなんて別に恥ずかしくもなんともない、私は私と突き進んでいる(ロードバイクにヘルメットで共感しちゃうよね)。しかも、男前すぎてかっこ良いよ君。
エリー!!!!わたしと友達になってくれ!!!お願いだ!!
これは愛についての話じゃない。
エリーは映画の最初にそう述べる。
でも、
ありのままでいて欲しいと思える誰かに出会ったことはあるか?
父の言葉が胸に刺さる。
ポールとインド映画について講釈たれているエリーは微笑ましい。
その時はわからなかった感情を今は理解できるし、今、それは反転して喜びへと変わっている。
感情を発見して、それに向き合っていく。
良い映画だった。
ちなみに字幕も吹替も見ているが、この映画吹替の文章がとても良い。