二月の鯨

週3~5回いく映画鑑賞感想、たまに消化する積みゲーの感想、映画祭やドラマの話


映画作品鑑賞リスト2024
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映画:ハーフ・オブ・イット 面白いのはこれから。笑いながら号泣した。

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ハーフ・オブ・イット 面白いのはこれからを見ました。

ネットフリックスのオリジナル映画ですね。

こちら、青春ハートフルコメディドラマですが。

 

なんということでしょう。

号泣したよ?どうしてくれんの?

私は、この映画予告も何もみずに見始めたんだけどさ、最初は、青春ラブコメブレックファーストクラブだと思っていたわけだよ。

それだけじゃないんだよ。

口で説明できないよ。

 

背景を説明しよう。

主人公は中国系移民の頭のキレる女の子、エリー・チュー。

みんなに、オタクだとか、チューチュー!っといわれて馬鹿にされたりする。

でも、頭が良くて、20ページの感想文?論文?の宿題を20ドルで肩代わりしている。

金を稼ぐ。

お父さんは、日長一日、家の中で映画を見ている。

二人で一緒にソファーに座って映画をなにをともなく見るのが日課だ。

こういうの見ているとわかるなあって思うな。

私の小さい頃も、日長一日テレビが友達で、行きたい場所はレンタルビデオ屋で、パッケージでの衝動借りしたり、裏面をみて借りるかどうか悩んだり、お年玉はモスバーガーとレンタルビデオとゲームにつぎ込んでなくなった。

プリグズビーベアを見ると思い出すよね。

 

javok.hatenablog.com

 ビデオテープって擦り切れるまで好きなやつ見るやん。

 

って話が脱線したよ。

でもまあ、このお父さんたちは好きでみているのとはちょっと違うんだ。

親父の表情がそれを物語っている。

ガウンを羽織って、働いているのか?という疑問も浮かびながら。

それもそのはずで、彼女の父親は、田舎の駅長をしている。

田舎だから、すごい沢山列車が来るわけじゃないし、娘が仕事を肩代わりしていることもある。

そんな彼女の家は、少し貧乏で、電気代を払えないときもある。

そんな彼女も、音楽のクラスのアスターに淡い恋心を寄せているのだ。

アスターの透き通る声だけが、彼女の耳によく届く。

教会でオルガンを弾いているエリー・チューは、彼女のことを知っていた。でも話しかけることはなかった。

その秘める思いを日の名残りで引用する。

日の名残りとは、アンソニー・ホプキンスが主演の執事のドラマだ。

秘めた思いを打ち明けられぬまま数十年が過ぎ、それを思い出す、という話だ。

 

ハーフ・オブ・イットでは、アメフト二軍の男の子ポールが、アスターのことを好きになるが、口下手のため、エリー・チューに

僕の代わりにラブレターを書いてほしい!

と告げる。最初は嫌がっていたエリーだったが、一通50ドルと聞くや、協力する方向に話が動いていくというわけだ。

 

アスターとエリーの手紙やチャットのやり取りは、オンラインゲームでのチャットのやり取りに似ているかもしれない。

本当の自分を隠したうえで、本当のことを喋る人もいれば、あらかた大嘘をついたような話をしている人もいる。(オンラインゲーム経験者)

この映画では前者で、ポールの姿を借りて、喋りたいことをアスターと共有していくのである。

 

お互いの悩みを打ち明けあい、惹かれあい、共感し、自分のことを理解できる人なんているわけないと思っていたのに、と。

その事実と、それを感じている自分に驚いてしまっている。

そして、馬鹿なほど子犬のようにしっぽを振ってじゃれてくるポールが愛おしくてたまらない(わたしがな)

アスターのことは好きだけど、ポールだったら・・とエリーは思ってしまうのだ。

でも、やっぱり登場人物は3人。別のところに物語は展開していく。

 

この映画では、真剣に深い話をするようでいて、軽いフットワークでその話の雰囲気を軽快に反転させていく。

だから、映画に共感して感動したと思って涙した瞬間に、笑ってしまえる楽しさもある。

 

おそらく、誰もが抱いてしまうであろう孤独があって、それと一生付き合っていくんだろうと思っていたのに、見つけてしまった。

見つけてしまった

その感覚が大きい。

たまたまね、見つけてしまった人が女の人だったってだけなのよ。

好きになった人間がたまたま女の人だったの。

アスターも大勢に囲まれていてもやはり孤独を感じている。

面白いのはアスターの周りの女の子はピンクのTシャツを皆着て、きゃっきゃしているけれど、アスターは別の服を着ていたりするわけだ。

アスターはエリーに言うんだよ、男の子の話をしない女の子に初めて会ったって。

わかるよ!!!!うざいよな!!!アスター友達になってくれ!!!

エリーにいたっては、かご付きのロードバイクで学校にかよっていて、ヘルメットなんて別に恥ずかしくもなんともない、私は私と突き進んでいる(ロードバイクにヘルメットで共感しちゃうよね)。しかも、男前すぎてかっこ良いよ君。

エリー!!!!わたしと友達になってくれ!!!お願いだ!!

これは愛についての話じゃない。

エリーは映画の最初にそう述べる。

でも、

ありのままでいて欲しいと思える誰かに出会ったことはあるか?

父の言葉が胸に刺さる。

 

ポールとインド映画について講釈たれているエリーは微笑ましい。

その時はわからなかった感情を今は理解できるし、今、それは反転して喜びへと変わっている。

 

感情を発見して、それに向き合っていく。

良い映画だった。

 

ちなみに字幕も吹替も見ているが、この映画吹替の文章がとても良い。

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