ストーリーオブマイライフを見ました。
原題は、little women。若草物語。本編としては、続若草物語をベースにしている。
主演はシアーシャローナン。レディバードとかで露出していて、ストーリーオブマイライフの監督自体もレディバードの監督、グレタ・ガーヴィグ。
ここでまたタッグを組んでいるけど、シアーシャローナン(ショーシャローナン)といえば、
ラブリーボーンとか、ブルックリンでの親しみが強い。
特に、ブルックリンはアイルランドの田舎からアメリカに出てきた女の子が、都会の喧騒に徐々にまみれて苦悩しながら生きていく話なんだけど、この映画とても良かったのでシアーシャローナン関連で是非見てほしいと思うところ。
話を戻すと、ストーリーオブマイライフで、シアーシャローナンは次女のジョーを演じている。
ジョーは、物書きになりたくて、ニューヨークに一人出てきて貧しいながらも小説家を夢見る。
ところが、ある日三女が病気が重くなってきたから戻ってきてほしいーと母から手紙を貰い、田舎に帰省する、という話。
この映画は、長女、次女、三女、四女それぞれのあの若き少女の頃と、成長して大人になり現実を見つめながらも強く生きていく、そこが交互に描かれている。
当然のことながら、それぞれが大人になって現実と直面することで、女性としての生きづらさを目の当たりにする。
ちょっと嫌らしいけど憎めないおば様のメリルストリープは、お金持ちだがずっと一人でいる。
その理由は、後に姉妹明かしてくれる。
この映画では、女性の生きづらさや、信念それぞれの思いが結構
ストレートに直接言葉で伝えられる
このストレートさは、82年生まれ、キム・ジヨンを読んだときに感じたものに近い。
私は、作品にストレートに言葉にするという行為自体は、あまり好きではない。
でも、この映画を見たときに思ったのは、
自分の生きづらさというものをふんわり描くんじゃなくて、
女性として生きづらかったことを言葉にしてもいい時代になったんじゃないか?
そう思うわけです。
むしろ、これは言葉にするべきことだと。
日本で生きていると、保守的であるのが普通に身の回りにあるように育ち、
料理するのは当たり前、結婚するのは当たり前、皿洗うのも掃除も女性の仕事?
皿の取り分けってなんで女性がするの?近い人がやればいいよね?
お茶を出すのとか電話を取るのは女性の仕事なの?
子供産んだら復帰できなくなるの?
そんな文化があるわけよ。あったわけよ、というにはまだ早いと思う。
でも、それが「普通」として目の当たりにしていると、
キム・ジヨンの本を読んで、諦めている自分にも気づいてしまうわけ。
日本の社会では、それは「普通」だよね、という保守的な考えがはびこっていると感じることがある。
きっと日本だけには限らないのかもしれない。
長女が結婚についてジョーと意見を交わすときも、
おば様が孫たちに語る人生も、
四女がフランスでおば様と暮らして悶々と考えていた苦悩も、
次女が母に自分の想いを吐露するときも、
母親が娘に投じるセリフも、あぁ、と強く共感し考えさせられる。
しかしこの映画は、悶々としているだけではなく、実に軽やかな着地点を見せてくれる。
ちなみに、この映画での四女の存在感が結構よくて、若きときは甘えん坊なんだけど、大人になるとだいぶ成長した内面をみせてくれていて、好印象だった。
どっかでみたことあるな、誰だっけと思ったらミッドサマーの主人公の子だった。
あら まあ こんな ところに!
ということで、四女のフローレンス・ピュー期待。
監督も37歳と若き女性監督。ジョーとも作者とも重なる部分があるのだろう。
良き映画だった。
アカデミー賞はもうちょっととっても良かったのにな、と思う。
私も私の道を生きていこう。
鑑賞後に おおなるほど、いつもありがとう!と思う町山節炸裂のお勧めたまむすび。