ローガンをみました。
見ようとは思ってたんだけど、いつかね、いつかと思っていたらこんなに時間が立っていました。
X-MENシリーズでR+15なのかよ、っていう驚きがあった本作。
どんな話かっていうと、ミュータントやX-MENの話はとうの過去。
認知症を患うチャールズを匿いながら暮らすウルヴァリン。
ウルヴァリンはというと、自分の中に埋め込まれたアダマンチウムから排出される毒によって、体を蝕まれていた。
そんなある日、自分と同じ能力をもつ少女ローラと出会って、事件に巻き込まれていく、という話です。
この映画のいいところはですね。
世界と戦わないところです。
基本的に、アメコミの世界と戦う話が私は好きではありません。
(最近どっかで言ったな)
で、ですね、このローガン。
最初から、ただの人間としてローガンを描いているんですよね。
もう苦悩の連続ですよ。
しわくちゃのおじちゃんで、足を引きづりながら歩く様は、もう
おじいちゃんじゃないの!!チャールズとどっちがおじいちゃんなの!!
ぐらいの落ちぶれ具合で、みていて可哀想になるぐらい。
当のチャールズも、鉄くずの中で発作を抑えながら寝たきり老人のように覇気がない。
自分の発作もコントロールできない。発作が起きると、もう世界の破滅ばりに、周りの人間の呼吸を止めてしまう。
あの、X-MENたちを引き連れて、学校を牛耳っていた影は微塵もない。
可哀想感半端ないヤツ、落ちぶれ感半端ないヤツ。
と、どこまでもどこまでも徹底的にいたぶってきます。
この落とし具合がとてもいいんです。
困った人たちをただ助けていたウルヴァリンはもうどこにもいないんですよ。
酒に溺れて、チャールズの発作を抑えるために車の運転手でひもじく稼いで、この生活から脱出しようと毎日を送る。
ここで、何か、感情移入をしてしまうんですよ、ヒーローがみじかに感じる。
苦悩しないヒーローではつまらない。
でも、より普通の人々に近づいたヒーローだった人、を見ていると感情が揺らぐ。
そんなウルヴァリン(ローガン)と、チャールズ、ローラは果ては追われる身になるわけです。
車に荷物を積んでの逃避行。
それはまるで、車でアメリカ横断、ロードムービー。
ロードムービーのアメコミだと・・・・?!聞いたことないな。
すごい近く感じる。
そうして最初は仲の悪かったローラとも次第に、家族のようなものが芽生えていく。
ローガンの諦めきった荒んだ心が、少しずつほぐれていくさまが、見ていて痛々しくもあり、切ない。
チャールズがローガンに伝えた言葉の返答を、ラストにローガンが呟く。
わかっちゃいるけど
泣いちゃうだろ!!
アメコミで泣くとは思わなかったよ、ローガン、ヤベーヨ。
ということで、おすすめでございます。
ちなみに、R15なのは首が飛んだりするからです。女体シーンは出てきません。
※ちなみに私は先にデッドプール2を先に見てネタバレされた上で見ててもこの有様だ。