キャラメルを見ました。
ナディーン・ラバキー監督の初監督作品ですね。主演もしています。
この映画の存在を知ったのはイスラーム映画祭4に行った時です。
みんなもちろんキャラメルは見てますよね!的な感じで開催者が言ってたんですけど・・
あ、シラネ
って思って作品について知ったのがきっかけです。
そのあとは、今年のカンヌ映画祭で、カペナウムがやべーという話をTBSラジオで知ったことがきっかけでナディーン・ラバキー監督を知りました。
映画祭っていうのは、知らない映画についての情報を得られてイイですね。
本当に映画フリークな奴しかいねぇ(いい意味で)
だいたいQ&Aとかでも、フリークすぎる質問とかがすんごい多くて、聞いているのが面白いw
話ずれましたが、キャラメルの話。ちょっとネタバレで話します。
まずタイトルのキャラメルについて触れときましょう。
美容室ではキャラメルを使って除毛をする、それとリンクしててキャラメルってタイトルがついてます。
キャラメルは砂糖を使って熱して作るもの。
甘くもあり、ときには火傷もする、痛みもあったりする、みたいな意味合いでタイトルになっているようです。
ナディーンラバキー演じる主人公ラヤールが経営する美容室が舞台。
アラサーの彼女はムダ毛処理担当。そのムダ毛処理にキャラメルを使うんですよね。
そんなアラサーの彼女はというと、実は不倫をしていたりする。
アラサー女子が、しかもレバノンでふ、不倫?!
文化的なところで意外にオープンでびっくりする。割と肌の露出もあるし、ヒジャブもつけてなかったり。
どうやら、フランス委任統治時代の影響でオープンな文化らしい。
とはいえ、車の中に未婚の男女が二人きりでいた場合は、警察から家の中に入れと言われたり、未婚の男女はホテルにも泊まることもできないなど従来の文化も健在。
なかなかの文化の狭間である。
かと思うと、もうすぐ結婚間近のニスリンは、結婚相手が初めての人ではないと告白。
彼にバレたらやばいよ、どうしようと。
それなら、鳩を殺して血をまくのよ!
とか、むしろいっそ
処女膜再生手術を受けようと。
そんな手術があることにびっくりするんだが?!と、文化のびっくりオンパレードである。
息もつかぬまま、ジャマルというそこそこおばちゃんの常連客は、老いに負けじと女優を諦めたくないとしがみつく。
彼女が、生理がこない恐怖と戦いながら、繕う姿が切ない。
シャンプー担当のリマはリマで、ある日訪れた女性客と笑顔でやりとりしながら、想いはお互いに伝えられない。
文化的には、国によって逮捕や死刑もあるほどのことだからだ。
最後に、おばあちゃんの仕立て屋のローズは、姉と暮らしながらも、仕立て屋に訪れるフランス人といい雰囲気になる。
しかし、姉のことを考えるあまり、姉を取る。
エンドロールのローズが切ない。
私はこのシーンをみて、近隣のスーパーに食料品を買いに来る老夫人(姉妹)を思い出してしまった。
彼女たちは、スーパーのカートに体を預けながら、家まで食料品を運ぶのだ。
この映画は、中東、レバノンのオープンな近々の未来と、イスラムの文化の狭間で揺れ動く日常と想いを描いていた。
少しポップで、少し切なく、皆色々な物を抱えてそれでも生きていると、文化的にも興味深い映画となりました。
結構興味深かったです。
そういえば、主人公に思いを寄せる景観として、判決、2つの希望に出ていたAdel Karamが出ていました。
こんなところに!!
という出会いもあって、ちょっと微笑む。
いやー中東の映画っていいですね。