見てきました。
チェイニー副大統領を主人公にした映画ですね。ブッシュを影で操っていたという。
冒頭で、こんな感じの言葉が出てきます。
無口な男には気をつけろ、彼はあなたが喋っている間に、ひたすらになにか策を練っているんだ みたいな。
わかる、ていうか、私はずっと喋ってるようなタイプだからな!
無口なやつっていうのは苦手だ。何考えているのかさっぱりわからんからな!
ちなみに、そんなやつとは飲みにも行きたく無いがな。
そんなチェイニーを演じきりまくったクリスチャンベールがですね。
今回ですね。
すごいです。
チェイニーにしか見えません。
ガン=カタを忘れたのか?
マシニストはどうしたの?
すげーなベール。
しかも今回チェイニーの学生時代から、白髪ハゲ親父になるぐらいまで全部演じ切ってるんですけど、
すげぇよベール
アカデミー賞とればよかったよ
移民だったらとれてたのか?と思わないでも無いが・・。ちなみに、ベールはイギリス人らしいです。
喋り方も、苦虫を噛み潰したような左頬の歪んだ笑みも、最高。
しかしながら、脇役のこのかたも忘れてはいけない。
そう、ラムズフェルド国務長官である。
口がよく回るし、下ネタ満載のこのおっさん。最高だぜ!一体誰だ、見たことがあるぞ。
と思ったら、スティーブカレルだった。
誰やねんと思っただろう。彼はそう
あの40歳の童貞男に出ていた!
フォックスキャッチャーに出ていたあの富豪!
フォックスキャッチャーの富豪役結構好きだったな。
なかなか、いいな。スティーブカレル。
注目しておこう。
と、このバイス。キャストがなかなかいい。
とてもいい。
肝心の映画の話をしていませんでしたけど。
あまり笑かしにはきてないんですよね。どっちかというと、ブラックコメディ的というか。皮肉調ですね。
皮肉なのは、レストランで、会食しながら、次に何が欲しいか言っておいて、全部もらおうというあたりかな・・・w
そして、冒頭でこんなことも語られているところがある。
長時間労働で働かされた国民は、税金や、保険といったことを考えるよりも、楽しいことに目がいっているんだとー。
まあ、映画の内容自体は、言わずもがな、副大統領の権力を如何にして得たのか、得てからどうイラク戦争に突入していったのか、ということを淡々と描いているんですね。
ただし、淡々と描いている割には、チェイニーの家族思いなところをクローズアップしてくる。彼も一人のアメリカ人だったと言いたいのかもしれない。
そこに挟み込まれる皮肉と、悲惨な映像。
しかし、何故かとても表層的な映像に見えてしまう。
その表層さが逆にとても皮肉にも感じる。
その表層さというのは、エンドロール後に出てくるシーンに如実に現れてくる。
ちょっとネタバレですが、エンドロールでは、
喧嘩する男たちを余所に、興味ねぇな、という若い姉ちゃんが、
次のワイルドスピードが楽しみだわ♪
というようなことをいっているのだ。
つまり、喧嘩=戦争、を余所に、興味ねぇな、そんなことより、面白いこと楽しいことの方が興味深いわってことなのだ。
結局のところ、ここが一番現在のアメリカという国を表している、一番の皮肉なのかもしれない。