グリーンブック見てきました。
今年のアカデミー賞作品賞ですね。
ヴィゴモーテンセンとマハーシャラアリのダブル主役という感じの白人と黒人の人種を超えた友情の話ですね。
実話がもとになっていますが、1962年頃の話。南部ではまだまだ黒人差別が色濃く残っている時代に、南部ツアーをするピアニスト、マハーシャラアリにドライバー兼お付きの人で雇われることになったヴィゴ。南部ツアーを2ヶ月かけて巡る中で、黒人は差別するものだという観念から、人を見るように段々となってゆくという王道ちゅうの王道のお話。
まず、二人の役者ですが。
いいですね!
ロード・オブ・ザ・リングのヴィゴの面影なんかこれっぽっちもない。
食いすぎてお腹がでっぷりでっぱった中年ヴィゴの完成です。
しかし、こんなにお腹がでっぷりなのに、ナイトクラブの用心棒をしてて、喧嘩はめっぽう強くて頼り甲斐がある。
サンドイッチの食べ方から、フライドチキンの食べ方まで低層感が滲み出ています。(褒めてる)
ちなみに、フライドチキンをマハーシャラアリは食べたことがないという場面が出てくるのですが、
黒人なら食べててあたりえだろう!と言われるんですね。
何故かってのを知らなかったんですが、黒人はフォーク、ナイフなど奴隷だったときに持つことを許されていなかったから、手で食べられるチキンを食べていたー。と町山さんのラジオで知りました。
なるほどなぁ。全然知らなかったけど、ヴィゴはほんとにきたない食べ方だけど、うまそーに食うな。
対して、マハーシャラアリ。
アリータに出ていたときの小物感はどこへやら。今作では上品であること、気品であること、人間であることにホコリを持つマハーシャラアリ。
車に乗るときは、膝の上にブランケット!(毛布?)
いつも背筋をぴんと伸ばして博士号ももっている!そんなマハーシャラ・アリ。
この二人の関係は、白人と黒人の立場が逆転しているような感じで、可哀想な黒人を白人が助け歩み寄るという映画にも見えるかもしれない。
がしかし、今作は、この二人の相反する対比と、コンビ愛、掛け合いがとても良かった。
お話はというと、んー。
なんていうか、
ザ・王道。
見えすぎていて、そう王道すぎて意外性や、外れる!ってことがありませんでした。
うまくまとまっていましたが、
どこかでよく見た既視感はすごいあったな!
人種差別というテーマ性のある映画で、ストーリーも古き良きアメリカ、家族、友情、あれ、これは週刊ジャンプか?ていうぐらいお約束な感じでしたね。昨今の流れで教科書みたいな感じでした。
個人的には物足りない!
女王陛下のお気に入りや、ファーストマンのほうが好きかなぁ。人種差別とかのテーマ性、全くないけどね!
でもまあ、二人の掛け合いが良かったので、そこそこ楽しめました。
ちなみに、とある記事で拝見しましたが、アリがパンフレットでこんな感じのことを言っているそうです。
観客の中には、黒人であるスパイクリーの映画を見に行かない人がいるかもしれないが、ピーターファレリーの映画だったら、笑わせてくれるんじゃないか、って映画館に足を運んで、そこで思いもしなかったことを考えるかもしれない。そこに価値があると思うんだ。
おいおい。
マハーシャラ・アリよ。
ドン・シャーリーみたいなこと言ってるじゃねぇか!!
君が好きになったよ!
と、言うことで、私はこの言葉にグッときてしまったのだった。
この言葉を読んでいなかったら、ただの王道だったなと感じて終わっていただろう。
確かに、私はピーターファレリーの過去作は、お下品なものが多くて、別に全然笑えないし、好きじゃないって思ってた。
でも、そういう映画が突き抜けてて笑えるぜ!ど畜生!これで明日仕事にいけるってもんだ!って奴もいるんだ。
そういう人が、ピーターファレリーの映画か!見に行こうかな!
って思って、実際に足を運ぶんだったら、確かにそれはドン・シャーリーのように価値のあることなんじゃないかと思う。