ということで、最近金曜ロードショーでもだいぶ後押しされてる感ある細田守監督の最新作を見てきました。
あらまし
4歳のくんちゃんは、お母さんが帰ってくるのが待ち遠しく窓の外ばかり見ている。妹がついに生まれるのだ。お母さん離れはまだできておらず、退院してきたお母さんにかまってとアピールするも、みんな妹の未来ちゃんにばかりかまっている。スネるくんちゃん。
ふと、中庭にでると、そこには家の庭とは思えない光景が広がりー。
色々詰め込み過ぎている
最初からダメ出ししてしまいますが、今回はこれを一番感じました。
要素が多すぎて、話が散っている。
なんでか?というとですね、おじいちゃんや、妹、一緒に住んでる犬の話なんかが、庭を介して紹介されるわけなんですね。
くんちゃんを形作っているものは、要するに彼の妹や、親、祖父など、色んな人から受け継いでいまのくんちゃんへと語り継がれていくからー。そんなことを表すためにも、おじいちゃんのあたりまで話を盛り込んでいるわけなのですが話自体もそう面白く展開するわけでもないので、
見ていて退屈。ちょっと寝た。
黒木華がだいぶウマい
小さいおうちとかで女優賞とかとってた人ですね。出で立ちは蒼井優と似てるんですが、ぱっと見地味めな印象の彼女。
未来のミライちゃん役やっているんですが、これがなかなか型にはまっていて、お上手です。今回初なのかな??と思いきや、実はおおかみこどもの雨と雪が初回だったようですね。なるほど、ここで繋がりがあったのか。
この女優さんは割と何にでも化けるイメージなので、今後のアニメでの活躍を期待したいですね。細田監督の映画がほとんどみたいなので、他のアニメでも観て観たいです。
場面の広がりがない
話を詰め込み過ぎている割には、話の広がりがないんです。くんちゃんの生活の場が家だけだっていうのを差し引いても、展開がなくてだいぶ退屈です。
犬好きすぎじゃないかな
不必要に犬の擬人化ファクターを取り入れるのはそろそろどうかなぁ?と思います。
サマーウォーズとかはわりと自然だったんですけどね。残念です。
くんちゃんがとにかくウザい
これもだいぶ感じますね。
4歳だからこうなるのはわかるんですけど、これを盛り込みすぎていて、
だいぶウザい。
ピンポイントに伝われば、それでいいと思うんですよ。
ファンタジー要素を無理やり付け加えているように感じる
こう感じてしまうんですよね。今回は。
普通に親と子のストーリーに焦点を当てても良かったと思うんですよ。
オオカミの子みたいに、ファンタジーと親子の話が最初からやるんじゃなくて、一般のリアル世界に、異世界とリアル世界の往来をやりたかったのはわからないでもないですが、リアルだけで勝負してみても良かったんじゃないのかな。
ただ、それだと細田守の作家性はどこに?というのはあるかもしれないですけど、作品として面白くないのならそれはどうかなと思います。
そのためなんだか無理やりねじ込んだ感がして、ファンタジー要素に頼った感が否めません。
話の辻褄もおかしい
多分、あの対話シーンは出したかったんでしょうけど、じゃあ同時に二人は存在しないはずではなかったのか、とは思いますね。シーンとイメージ先行で行ってしまっている気がします。
そして、一人でお兄ちゃんになるしかないくんちゃん
誰もくんちゃんのことは見てないんですよね。
未来ちゃんだけは辛うじてくんちゃんのことを見ている。
そりゃ下の子が生まれたら、きっとこんな感じなんだと思うんですけどね、実際。
親も子供のかまってアピールに構ってられないかもしれないんですよね。
だったら、だったでリアル路線で話を進めても良かったと思うんですよ。
そうでないなら、ファンタジー路線に思いっきり切れば良かったと思うんです。
ただ、アニメの映像として見る価値がなかったわけではない
最後にフォローするとすればこれです。
いつも自然の描写とかに拘っていますが、今回は雪の細かい結晶のフサフサ感や、くんちゃんが窓に息を吹きかけて曇る様なんかを丁寧に描いていましたね。
そこの描写はいつも通りで、綺麗だったと思います。
それでもまとめると、これはダメ
どうしてこうなってしまったんですかねぇ。誰か色々言ってこうなったのか?それとも監督が突っ走ってしまったのか?
そこらへんはとんとわかりませんが、原作ありきの映画を作った方がいい映画を作れるような気がします。
とても残念でした。日本のアニメ界を背負う一員として重圧はあるかもしれませんが、次回作は頑張ってほしいです。