今年のカンヌ国際映画祭の晴れてパルムドールを受賞した万引き家族を見てきました。
水曜のレディースデイでしたがお客の入りは半分ぐらい。
そこまで混んでないかな?題名から暗そうと感じてしまうのかもしれませんね。
今回の万引き家族ですが、見たかった要因はズバリ
キャストが豪華だな、おい!!!!
の点です。
まず私が大好きな樹木希林・・・!おばあちゃん役で出演しています。
彼女はもういるだけでヤバイですね。仕草一つ一つがヤバイ。
昔、半落ちという映画を見たのですが、映画自体はさして面白いとも思わなかったわけですが、彼女の演技に泣かされた思い出があります。
日本映画界のメリル・ストリープと言っておきましょう。
そして、安藤サクラ・・・・!リリーフランキーの奥さん役で出ています。
彼女もヤヴァイ。大好きですね。
百円の恋や愛のむき出しに出ていますね。テレビだとゆとりですが何か?
とか。
彼女は凄い美人という訳ではないのですが、どことなくエロく、自然な感じがとても好きです。やヴぁい。
そんでもって、松岡茉優・・・!
安藤サクラの妹役ってことで出ていますね。彼女もなかなか有望な女優さんだと思います。
最近だと勝手に震えてろとかでだいぶ話題になっていましたね。
そして、彼女が働くお店にやってくる4番さん役が、池松壮亮・・・!
ここで池松壮亮なのか!!
最近だと夜空はいつでも最高密度の青色だとかに出ていましたね。
彼もなかなかヤヴァイ独特の雰囲気をもった役者さんで注目株です。
とにかく、こんなに豪華な役者さんばっかりなんで
見ないといけないなこれは・・・!
ところで映画の話はどうなんだ?
すっかり忘れてたけど、映画の話。
ネタバレでいきます。
万引きした帰りに、リリーフランキー(治)と息子のしょうたは、2月の寒い夜だというのに、玄関の前で佇む少女(ゆり)を見つけます。
寒そうだったので家に連れて帰る。
明日返してきなよ、と安藤サクラ(のぶ代)に言われるのですが、樹木希林(おばあちゃん)が少女の腕をまくった時に、虐待らしきあとを発見してしまう。
翌日、少女を返しに行こうとすると、その家から男女の怒鳴り声が。
のぶ代と治は、家にとりあえず連れて帰ることにしたのだった・・。
他人同士の家族・苦しい生活
万引き家族という題名なかなか凄いですが、この人たち、みんな他人なんですね。
最初はみんな家族かなと思わせる感を出してくる訳ですが、セリフの端々に、他人同士が身を寄せ合って暮らしていることがわかることを入れてきます。
また、治は日雇い労働者、のぶ代はクリーニング工場?らしきところでのアルバイト。クリーニング工場では、怪我が多いのか、バイト仲間も、のぶ代も指に絆創膏を貼っているのがよく見受けられます。
おばあちゃんはおばあちゃんでおばあちゃんの年金を彼らもあてにしている。
松岡茉優(あき)は何してるんだろうと思うと、彼女はいかがわしい店で女子高生の制服をきて、鏡張りの店で客をとる。しょうたたちは、学校に行くこともできずに日々万引きをしている。
そんな日常。スカイツリーが近くに見える河原を歩くあたりは、下町を舞台にしているのかもしれません。
登場人物たちの過去
登場人物たちの過去というのははっきりは語られません。
ただし、セリフに色々と出てきます。
のぶ代の過去
のぶ代とゆりがお風呂に一緒に入るシーン。
これ火傷のあとだね?という一幕で、のぶ代にも同じ火傷があり、
これはアイロンでジューってなったんだよっていう訳ですね。
するとゆりが彼女の腕をさするんですね、火傷の跡を。
もう痛くないから大丈夫だよ、とのぶ代がいうと、
ゆりはずっと首を振り続けるんですね。ゆり自体が虐待にあっていたため、
ゆりはたとえ体が治っていても、心は治っていないことを知っているんですね。
ここの一幕はちょっと切ないですね。
まあ、アイロンでジューって言うことなので、クリーニング屋での怪我だと思いますが、(その跡腕に絆創膏を貼っていたので隠していたというのとは違う気がするけどどっちの意味にも取れる気がします)ゆりにとって怪我とは虐待が日常的だったとうかがえます。
また、治に、普通虐待されて育った子はああはならない
というセリフをのぶ代が言うんですが、ここからも彼女はゆりと自分を重ね、感情移入していくことがうかがえます。
あきの過去
あきはいかがわしい店で仕事してお金を稼いでいる訳ですが、彼女の源氏名はさやかなんですね。まあ、いかがわしい店だから名前違うのかな!と思いきや、おばあちゃんが、あきの家に訪ねに行くシーンが入る訳です。
ただし、あきのことは伏せて訪問する。
すると、妹の名前がさやかであることが判明。おばあちゃんがあきのことを夫婦に尋ねると、あきはオーストラリアに留学していて、なかなか家に帰ってこなくて寂しいのですと嘘をつかれる。つまり、あきも彼らから必要のないもの、捨てられたものということなのですね。
また、彼女がいかがわしい店で働いているときに、池松壮亮(4番さん)とプライベートルームで、膝枕をするシーンがあります。
4番さんは何も言わずにただ、膝枕されていて、あきの話を聞いているだけなのですが、ふと4番さんの右手をみると、拳が殴った後のように皮が擦りむけているんですね。
それを見たあきは表情をかえ、自分を殴ったんだねと話しかけるのです。
その後、警察に取り調べを受けた時に、あきの右腕が見えるのですが、拳は4番さんと同じように血だらけ。彼女も自分を殴っていたんですね。
切ないですね。
警察に捕まって取り調べ
個人的にこのシーンは、嫌いだけど安藤サクラはまじでいいと思うので捨てがたい。
というシーンです。
まず、警察官役が若すぎる。高良健吾がイケメンすぎる。
そして、取り調べを受けている時に、各々が警察に向かって自分たちが思っていることを吐露する訳なんですが、その吐露の内容って、
この世の中に思っていること自分たちの境遇なんかを吐露しているんですけど、
あのシーンはしつこいと思うのです。
そして、直接的すぎると思うのです。だからワザとらしく、しつこく感じてしまいます。
思っていることをセリフに出していいのは銀さんとかだけだと思うんですよね。
ある意味反則技なので嫌いです。
だがしかし。
ただ、安藤サクラのあの独白は、ヤヴァイ。
マジでやばい!!
あの役柄に最適な泣き方を演じています。
見ないわけには・・いかないな!!!!!
というのがあのシーンに対する考えです。
まあ、この映画で有名になってしまいそうな彼女ですが、彼女が国際的にも広まって周知されていくのはファンとしてとても嬉しいです。
さて、最後の終わり方についてですが、私はどちらかというと希望で終わっていると感じました。
何故か?
それは、彼女が本当のお母さんの所に帰ってきた時のシーンが挟まれているわけですが、その時本当のお母さんの頬に怪我の跡を見つけて手で触ってしまうんですね。
そこでお母さんが、痛い!謝りなさいよ!!というわけです。
でもゆりは謝らない。
ここで彼女は、以前お母さんと暮らしていたゆりとは違っていることを表しているんですね。
だから、一人でまた外にいた時に、最後に手すりの外を見やるんです。
手すりの内側までが今までの彼女の住む世界だったことでしょう。
きっと、あの日々を過ごさなかったなら、彼女は外の世界を見ようとすらしなかったでしょうね。
ちなみに、このゆり役の子、目力と仕草がなかなか素敵でいいですよね。
あと、も一個。
この映画はゆりと出会ってからの一年間を描いているので日本らしい四季折々が見られるのとかいいとこだと思いますね。
というわけで、個人的に感想としては・・・