二月の鯨

週3~5回いく映画鑑賞感想、たまに消化する積みゲーの感想、映画祭やドラマの話


映画作品鑑賞リスト2024
鑑賞リスト

映画:アングスト/不安。魯迅のように狂気の沙汰を垣間見る気持ち悪さ。

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アングスト/不安を見ました。

去年ぐらいに上映されていたんですが、見ることがかなわなかったので見ることに。

実在の殺人鬼、ヴェルナー・クニーセクの殺人事件がもとになっている本作です。

 

こういう気持ち悪い映画は久々に見ましたね。

この映画、あまり会話がないんですよ。

本人(ヴェルナー)が思っていること、考えていたことがナレーションで入ってくることがほとんどです。

登場人物たちはたまにしゃべるんですけどね。

 

この映画のなんか気持ち悪い、と感じる点はまずなんといってもカメラワークです。

主人公を中心にして、景色だけが動くような、自分にカメラを向けたような撮り方をしているシーンがあるんですね

1980年代にこれとってるんか・・と思ったら新しいな感とてもあります。

と、同時に鬼気迫るシーンになっていてとても怖い感じがします。

かつ、主人公がダイナーでウィンナーを貪り食う姿なんかは、顔や口のどアップになっていて、さらに気持ち悪い。

よくぞやってくれたな。

ウィンナーを貪り食いながら、若い女たちをどう殺そうか、って物色しているわけですが、このシーンおそらく、彼の性的欲求というか、快楽というか、そういうのとウィンナーを食う、ということを掛けている感じです。

ウィンナーの食べ方もきもいですね!!!

 

そうこうして問題の家族襲撃事件へと発展していくんですが。

この殺人事件の様相がとてもすごいんですよ。

無計画きまわりなくて、衝動だけで襲い掛かっている。その様を終始、他人軸で自己観察しながらのナレーション。

しかし、当人は汗はダラダラだし、人を捕まえるのも必死だし、衝動にかられて次々と行動を起こす。

その行動そのものが狂人なんですよ。

でも彼にとって、その感情は普通だから淡々とナレーションが続く。

衝動にかられているその行動はすさまじいのに、落ち着いたナレーションが響いて気持ち悪い感が増す。

 

殺人事件のシーンは、なかなかの気持ち悪さでした。

サスペンス映画とかで、リアル系を鑑みた気持ち悪い映画は初めてで、なかなかの衝撃作でした。

ビジュアル的にも、手袋をはめてウィンナーを食うシーンも凄い。

てか、後始末シーンも衝撃なんだけどな。

 

一見してもいいと思う映画です。

ただし、好き・嫌いは分かれるし、見ていると気持ち悪くなるかもしれない。

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