透明人間を見ました。
上映当時若干話題になった話はちらっと聞いてはいたのですが、このご時世もあって見られなかったので配信されるときを待って夜中に見ました。
勿論夜中だぜ!!真っ暗にして鑑賞だ!
透明人間といえば、私が最初に見た映画はケビンベーコンのインビジブルマンでした。
あれは、金曜ロードショー的な映画だったかなと記憶しています。(俗に、見やすい、お手軽、エンタメみたいな映画を金曜ロードショー的と自分的に定義してます)
で、こちら最新作の透明人間。こちら、ソウやアップグレードの脚本のリー・ワネルが監督した本作です。
主人公はエリザベス・モス演じる女性で、大富豪(と思われる)の光学の研究者と結婚しているのですが、何かに怯えながらも逃走を図る場面から始まります。
最初は夫と二人で寝ているシーンから説明も何もないまま、この女性のいかに怯えているのかをクローズアップしながらの冒頭。
ここで既に引き込まれます。
そうこうして怯えながらも妹に協力してもらってかくまってもらいながら生活するのですが、突如旦那が死んだからもう安全だよ、という知らせを受け取るのですが、そこから何か異変に気付くー という序章になっています。
この映画のいいポイント(良い意味でイライラする)は、
この女性の旦那からの脅迫的に追い詰められた心の傷が見せている幻覚なのか、
本当に透明人間がいるのか、が曖昧に描かれている点です。
この映画では主人公の女性の視点からのみ映画が展開します。
そして、透明人間が現れるときは決まって、
女性が一人の時か、女性と一緒にいる人が死ぬとき、が極めて多いのです。
そのため、鑑賞者からは、
もしかしてこの女性の幻覚なんじゃないかな・・・と思うようなシーンが多々でてきます。
ネタばれを少ししながら説明すると、
途中で、親しみを寄せている刑事の子供に慰められてほっとするシーンがあるわけですが、その時にその子供が見えない何かによって叩かれるんですね。
でも子供は、主人公がやった、という。
本当に主人公がやったのではないか?いや透明人間では?
という葛藤の中物語が展開していくのである。
しかも、主人公が本当に精神的に参っているようにしか見えないので、どっちのアレでそういう精神状態なん、と
このイライラする疑心暗鬼度が最高である。
空間の余白を使ったうまいカメラワークで、明らかに空間に怯えている主人公。
鑑賞者は、目を凝らして見つめるが、何も動く気配はない。
イイですね
怯えているときって、何もないところに怯えたりすると思います。
自分の後ろを付けている人はいないのに、後ろを振り向いてしまいたくなるときありますよね。
物語が展開していくと、どっちなのか?がより明確になっていく。
物語はラストまでニヤリとする展開になっており、エリザベス・モスの主人公が序盤からどんどん変化していくさまが楽しい、そんな映画でした。
ちなみに、ナイフでちょんぱシーンが結構あるので、苦手な人はご注意を。