アンダーザシャドウを見ました。
イラン出身の監督のイギリス映画とのこと。イランが舞台のホラー映画って初めて見ましたね。撮影はどこでやっているのだろう?
さて、主人公は医者になりたかったお母さん。復学をお願いしにいくも、断られてしまう。
女性の立場が割と自由なイランですが、時代設定はイラン・イラク戦争。
イラン・イラク戦争って、1980年頃勃発した話ですが、この頃であっても自動車を運転している・・・ぞ?!という衝撃。
自分があまりその時代どうだったかを知らないというのはあるけれど、サウジアラビアとかだとすごいきつくて、自転車に女の子が乗れるようになったのもつい最近。
とか思うと、この時代、医者になりたいと志し、自動車の運転もしていた彼女の凄みを感じます。
復学できなかった彼女は、
亡き母からもらった医学書のメッセージを大事そうに眺めます。
しかし、そんなフラストレーションが溜まる中、夫は徴兵され、アパートに取り残され、住民たちは戦争が始まるからと一人また一人といなくなり、
娘は私の人形のキアラはどこ!!
と、母の言うことを聞いてくれない。
母の方に感情移入していくことは免れません。でも、母は母でちょっとムカついたりもするんですが。
そんな中、娘のおかしな言動を聞いた同じアパートの住人から、
ジンがやってきたのよ
と言われます。
ジンは風と共に移動するの、取り憑く相手を探しているのよ。
自分の大事なものを無くして、取られてしまうと、もう逃げられないとー。
それを聞いた母は、娘の人形を探し始めます。
不穏な気配からの、とてもわかりやすい導線を確保しており、とてもムカつく娘もいて、イライラは頂点に達しますw
特に、娘の声が聞こえて走り出す母は最高でしたw
そうして徐々に風が迫ってくるわけです。
いたるところで、風が吹いており、実に自然に不気味に近づいてきます。
この表現は、最後まで実に爽やかで不気味にハッとさせられます。
短く纏まっていてバランスの良い映画でした。
今後どんなホラー映画を撮るのか気になります。