怪怪怪怪物!を見ました。
昨年の東京国際映画祭で上映してたのですが、見る機会を失していて今に至ります。
この映画は、台湾映画ですね。
台湾映画とか、中国映画とか、韓国映画とか見ようとして見に行かないと見に行けない現実は今の日本の映画館ではあるかなと思います。
ちなみに、この映画たーしかピカデリーとかではやってた記憶があります。
見に行けなかったんだけどね!
さて、このタイトルがまず、何だろう?って思う人いると思います。
怪怪怪怪物。
劇中で出てきますが、これはこの男子高校生たちのグループラインの名前です。
ピンと来るひとは来ると思いますが、この映画のテーマは、
本当の怪物はどっちなのか?
というお話です。
この映画の主人公は、クラス費を盗んだという濡れ衣を着せられたことでいじめにあってしまい、そのいじめられた奴らに、何となく仲間にされて行動してる高校生です。そして、とあるマンションで、人肉を食らっていた怪物たちを連れ去ったことにより、その姉の怪物が追いかけてくる、という話です。
いじめられていた主人公と、誘拐され、人間じゃないんだから何をやっても許されると、いじめられる怪物。主人公は、彼女(怪物)に感情移入しつつも、離してやることができない。
離してしまったら、次にいじめられるのは自分だから。
だから、彼らと一緒に悪いこともするし、悪いことしても何となく笑っている。
何かおかしいでも一緒にいてくれる。
友達じゃないかもしれないけど。
そんな彼らが、嫌いな先生へする仕打ちは、そら恐ろしいことになっています。
何となく、告白の映画を彷彿させました。
そうして、プールサイドのいつものたまり場で主人公が起こしてしまう行動の身勝手さ、怪物たちの切なさ、君は僕らと違うと言い放った懺悔とやるせなさは何故か、
山月記で月に咆哮していた虎を思い出させます。
ちなみに、山月記って昔学校の授業でやったんですけど、好きな話でした。(余談)
この映画は、スプラッターでもありますが、ホラー映画として、人物の感情表現をやたらと濃いめに描いているので、怪物たちにも、人間たちの気持ちも移入できてよかったです。
だから、スプラッターではない。
ドラマ色が強いですけど、好みです。よかったです。