今週までしかユーロスペース でやってないので見てきました。
イイ映画でした。
ウィンド・リバーとかの渋いの好きな人は好きなんじゃないかな。
原題は、Marlina si Pembunuh dalam Empat Babak。
英題だと、Marlina the Murderer in four acts。4人殺害したマルリナ、ということらしい。
そこそこネタバレでいきます。
舞台となる国は、どこかな。監督がインドネシアの人のようだから、そっちの方なのかもしれない。
とある荒野の一軒家で孤独に暮らすマルリナのところに、いきなり年老いたジジイがやってくるなり、
茶を出せ
亭主はどこだ
と聞いてくる。家の前に墓があったのを確認していたジジイは、部屋の中にある物体にも気づいていた。体育座りをして、死んでいるマルリナの夫らしき人物に。
これからお前のものをすべて奪う
仲間がやってくる
鶏のスープを作れ
そういって、マルリナは成すすべもなく、仲間がやってくるのを待ち、家の家畜をすべて奪われ、鶏のスープを作ることになる。
男子諸君はわかるだろうか?
こんなだだっぴろい何もないところで、いくらジジイといえど訪問してきたら、女の人は成すすべもないんすよ!!
包丁があってもね、力ではかなわないんすよ。一か八かてきなやつだよ。
銃が必要だよ。
と、見ていて思った。
そうこうして、マルリナはこの盗賊たちを返り討ちにしてしまうんだが、
やれ、やっちまえ!!
的な感じで応援してまう。
この感じは何故かキル・ビルのような気分で見ていた。
そうこうして、マルリナは、警察署にことのあらましを伝えに警察に出頭しに行くということで、ロードムービー的な展開を迎えていく。
この映画、作りが西部劇ぽい感じになっているので、全体的に渋いんだけど、要所要所で結構コミカルなとこもなかなかいい。
馬は途中で出てくるんだけど、わたしには盗賊たちが乗っているバイクが、
まるで馬に見える。
なおかつ、映像的にもなかなか好きなシーンが多く、マルリナは殺した盗賊の親分の首を持って警察署に出頭しようとするわけなのだが、隠すわけでもなく、ただただ風呂敷的に包んで(しかし顔は見えている)状態で、トラック的なバスに載せてもらう。
その後を
頭のない親分がウクレレ的なものを弾きながら追いかけてくるのである。
これは、マルリナの殺ししまった後悔なのか、なんなのかは微妙なところだが、不可思議な部分でとても印象的である。
また、出頭する前に、家で一夜過ごすわけだが、死んだ夫の傍らで、夜を明かすシーンなんかも印象的だ。
また、兎に角この映画、風景シーンがとてもきれいだ。
なんこたないただっぴろい荒野が一面に広がるわけだが、
空がばかでかく、美しい。
猛暑のなか馬に揺らぶられて道を行く姿もいい。
蜃気楼になってるところも最高に良い。
IMDbにあまりphotoが載ってなくて、リンクを貼れないのが悔しいな!
話が長くなりそうだけど、もう一個いうと、このマルリナ、途中で妊婦の友達と出会うんだけど、盗賊たちの死と、妊婦の身ごもっている生の部分の描き方もなかなかいい。
ラストシーンあたりにもここらへんがいい感じのカメラのショットになってたりするんだけど。
と、思い出の一本になりました。
もう公開しているところはないけれど、映画館でみるべき系の映画でしたね。
監督さんは、モーリー・スリヤ。
インドネシアの監督さんらしいです。
まだ38歳の女性監督。
すごいな・・・。
要チェックですね。
おすすめの一本でした。