結構古い映画なんですよね。
1988年製作のオランダ映画だそうですね。
謳い文句は、スタンリーキューブリックが、今まで見たどんな映画より恐ろしい映画だと震撼したと。
と、いうことなんですけど、
私はどっちかっていうと非常に面白かったですね。
ていうか、興味深かった。
話の内容は結構シンプルで、ある夫婦が高速のインターチェンジで休憩したときに、奥さんだけどっか行っちゃったよ、ていう話です。で、しばらくしてから犯人から旦那に何度か手紙が届くっていうあらましな訳です。
で、この映画の面白いところは、前半後半で物語が分かれているわけなんですが、
被害者の視点と犯人の視点別々から描いているところ
なんですよ。
そんで、この映画で面白いところって、
結構映像に寄るところが多いと思うのです。
例えば、消失したときの、あるアイテムや、ある服や、ある人物などが、全て後にまた現れてリンクするんですよ。
あのアイテム!!は・・・・とか、
あそこに写真さえなければ・・!とか、
あの服!!あれは・・あのとき・・・!とか、
と、全てが、偶然にもしかし、約束された偶然であり、
まるでその見せ方は、
ミステリー小説で、犯人はこう殺したーとか、犯人はこういうアイテムを使ったーと、種明かしを映像で語っているかのようで面白いです。
そして、キーとまたなってくるのが、
金の卵です。
それは夢の中で二つ出てくるわけなんですが、その言葉通り、車のヘッドランプや、ラストシーンの卵型が2つ出てくる映像だとかにリンクしていて、それを発見する楽しさはまるで
隠れミッキー見つけた!!!!
みたいな感じです。
また、他にも面白い映像手法がありました。
それは、見たい人物が敢えてボケている
という点です。
あの動作・・・・!あのあごひげ・・・!あれは犯人に違いないんだが・・・!
ていうか、あいつをすげー目で追っちゃうんだが・・・・!しかし、
一向にピントが合わないんですわ
まるで、サウルの息子現象だよ?
普通のサスペンスとかスリラー映画だったらですよ?最後に
どどーん!!って、ピント合うじゃないですか?
この映画は、合わないんですよ、そこが楽しい、とても 楽しい!
まあ、犯人じゃないやつからしたら、見たいものではないし、意識してないからピントは合わないんすよね。
あとは、ラスト近辺の雨が降ってきたときの車のフロントガラスのシーン。
最高ですね。
と、映像的に楽しい本作でした。
あとは、この犯人が意外に間抜けというか、普通だったということが、逆に日常的な、普通に見えるという恐ろしさという点が一番恐ろしいという気がする。
個人的には面白い本作でした。