クリントイーストウッド主演。久々の映画です。
88歳のクリントイーストウッドが、麻薬の運び屋を演じる。実際の事件が元になっている話。
もともと、クリントイーストウッドの映画は、実はあまり見たことがなくて、結構敬遠している方でした。
一番最初に見た映画は、多分Jエドガー。
そのあとは、アメリカンスナイパー。
そして、グラン・トリノ。ミスティック・リバー。
彼の映画って、全体的に凄い渋いなって感じる。
とかく、関わっている作品が多いだけに、見ないといけないんだが、見ないといけないんだが積み上がっていく!
そして、運び屋を見にいくことにした。
予告で、車の運転席から、助手席側に振り向くシーンがとても印象的だったので見にいくことにしたのだ。
この映画、もともと、90歳の爺さんが、麻薬の運び屋だったという事件を元にしているんですが、そいつの人間性や、背景がよくわからなかったから、資料などから元に想像を膨らませたものになっているとのこと。
自分は仕事に一生懸命、わき目もふらず、家族を蔑ろにして生きてきて、娘からも元奥さんからも疎まれている、そんな話。
娘さん役には、なんとクリントイーストウッドのまじな娘アリソンイーストウッドが出演している。
クリントイーストウッドとも何度か共演しているようだが、この娘さん、物心ついた時にはすでに親父はいなかったという。
また、クリントイーストウッド自体も、5回ほど結婚離婚を繰り返しており、子供も10人以上いるらしい・・。なかなか凄いなイーストウッド。
しかも、その子供の母親は、妻の中にいなかったりするという・・・。
なかなか凄いな、イーストウッド。
そんな彼は、本当の娘であるアリソンイーストウッドと今回共演するという・・・w
ちなみに、彼女と共演することになったのは、イーストウッドの案ではないと、王様のブランチのインタビューで言っていたが、娘さんとの関係について、インタビュアーが尋ねると、複雑だねと言ったあと、冗談だけどね と言っていた。
本当に冗談なのかな?! と思わないでもなかったけれど。
ともあれ、そんな複雑な家族の状況、家庭を顧みず、仕事に映画人生に明け暮れたのかもしれないイーストウッドは、運び屋としてここで自身の投影でもするかの如く、映画が展開していく。
お金がどうしても必要になった、主人公は、ヤバイ仕事だとなんとなくわかっていても、麻薬を運び続ける。
犯罪だとわかっていても、なんだか、このイーストウッド演じる主人公が憎めず、ちょいちょい笑ってしまういちまくがたくさん出てくる。
ていうか、メキシコ人と友達になりたいとちょっと思ったよ
麻薬を運ばせる為に、組織の下っ端にいるメキシコ人たちが、主人公に麻薬を渡すんだけど、主人公は、回を重ねるごとに彼らとジョークを飛ばしながら挨拶したりして、仲良くなっていく。
犯罪じゃなくて、まるで仕事しているように。
そう、ていうか、彼らにとっては生きていくための仕事だから!
イーストウッド演じる主役とも、顔なじみになって、タタ(爺さん)と呼ぶようになったり、爺さんが使いこなせない携帯の操作方法を教えたり・・・。
爺さんは爺さんで、麻薬を運びながら、ラジオを聞いて、一緒にカントリーを口ずさむ。
なんていうか、色々憎めない
そんな憎めない爺さんのセリフに多々笑わされてばかり。
そして、爺さん、順調に物事が運ぶかと思いきや、という展開が待ち受けていたりする。
凄い落ち込む映画でもなく、爽やかに、カントリーを聴きながら終われた、そんな映画でした。
最後のEDの歌も結構良かったと思います。
老いを受け入れるな、というような出だしの歌詞から始まる。
思い返すと、この映画は、古いものと新しいものを描いていたと思う。
古いものはどんどん古くなっていく。
みんな携帯電話ばっかり見て、インターネットでパンクの仕方をググったりしている。
インターネットが台頭し、爺さんの農場は潰れる。
そんな爺さんのトラックは古くて、カントリーソングがかかっている。
古いから、古く生きていくのかい?そう疑問を投げているようでした。
まあ、確かに、爺さんは、そんなお歳でも、若々しく女性たちと絡んでいる本作でしたねw
グリーンブックや、翔んで埼玉に人が押し寄せる中、今とっても空いていておすすめです!ぜひ、映画館でどうぞ。
P.S.
そういえば、タイッサ・ファミーガが孫役で出演していました。
彼女結構好きなんだよね。
姉のヴェラ・ファミーガも結構好き!