ファーストマンを見てきました。
デイミアン・チャゼル監督の最新作です。
個人的にはセッションとかが好きで、ララランドはあんま好きじゃなく、どういう感じの映画になるのかなーと見に行きました。
が。
乗っけから圧倒されました。
ネタバレで話していきます。
最初から空中シーンで始まるのですが、ガタガタと揺れ動く機内から、少しだけ覗ける空、雲。かと思うと、機体の外側から映したカット。
どうやら、試験中のようなのですが、手に汗握るシーンの連続。
こんなにきれいな連なる雲はあまり見たことがありません。個人的にはこの空の撮り方なとても好きでした。
そして、アームストロングの人生の物語へとストーリーが展開していくのですが、彼の家族の話、仲間の話を見せつつ、ロケットの機内や、宇宙シーンを見せていく作りになっています。
この映画でなんと言っても感動的だったのは、宇宙シーンの描き方です。
ロケットを発射するシーンもなかなか素晴らしいんですが(マッハに到達すると同時に、機内の窓から見える雲をかき分けて行く感じだとか、地球圏外に達した時に、鏡が宙に浮いて、それが機内から機外の地球を反射して見せたりとか)
宇宙シーンの描き方でいうと、
地球圏外までロケットを2基発射したのち、その2つをドッキングするというジェミニ計画、月に着陸して帰ってくるというアポロ計画の2つが描かれているのですが、このジェミニ計画がとにかく手に汗握る。
地球圏外まで飛び出したあと、ドッキングしようとするも、当のドッキング相手が見つからない。暗闇の中、目を凝らす。
そうこうしているうちにドッキングすることができるのだが、その瞬間に鳴り響く緩やかな音楽。ゆっくりゆっくりとドッキングして行く様は、まるで宇宙空間で二つの機体がワルツでも踊っているかのよう。
なにこれ。
チャゼルが撮ると、宇宙空間がワルツになるのかよ!!!
と、その美しさに感動する。
一つ言おう。2001年宇宙の旅より音楽を感じる!!
と思うのもつかの間、
ホラー的な展開に発展するのだが、その音楽の使い方も秀逸で、サイコのシャワーシーンかのようにドキドキする。
ていうか、この映画では、機体の中のガタガタシーンが多いのだけど、見る人によってはちょっと酔っちゃうかも。
私は、VR以外で3D酔いしたことがないので平気でしたが・・!
それにしても音楽の使い方もなかなかいい映画でした。
さて、問題の物語も終盤、アポロ計画が実行され、ついに月に着陸というとき。
ここでも美しさが発揮されるのだが。
とってもとっても とてつもなく、撮り方が丁寧!!
今まで、こんなに長い尺で月面着陸と、その一歩を撮った人がいたもんだろうか?
少なくとも、私はこの長い尺でみたことはない。
月面にその一歩を踏み出した瞬間、土なのか、ゴツゴツしているのか。
そこに足跡がついて、
あ、柔らかいんだ。 と思う。
と同時に、柔らかいのに宇宙空間にその地表の砂のような物体はぷかぷか浮かばないことに気づく。
そうだった、月面は重力があったんだった。
宇宙空間にいて重力がないと思ったけれど、月面に着陸して重力がまたある。
この交互の描き方もとてもいい。
家族間の描き方については、長くなりそうなので割愛しちゃいますが、
さて、ラストはどこで終えるのか、と思っていると、いい具合にやっと、
ガラス一枚隔てで、心が通じ合ったかのような、ジェミニ計画がここでも成功したんだな、
と思えるラストになっていた。
この後、二人はどうなるだろうか。
少なくとも、今はこのジェミニ計画を見守るだけだろう。
個人的には、とても良かったなーと思える作品でした。まだ34才とは・・・恐るべし。
みて良かったです。