累、見てきました。
ところで、まあ、本編は大体この予告通りなんですけど、aimerの歌に乗って流れるこの予告でよくできていますね。
結論からいいますと、すごい面白いとかではないけど、面白くないわけでもなく、バランスよくまとまりました、という感じだとおもいます。
原作はちなみに読んでいません。全12巻ですね。原作では、ニナの行方や、母の秘密などに迫っているようです。
映画を見終わって一番気になるのは、
原作は続きどうなってるの???ちょっと読みたい。
というのが率直な感想です。
物語は、醜い顔を持つ累という天性の女優としての才能をもつ女性(芳根京子)と、美しい顔を持つ女性ニナ(土屋太鳳)が、口紅というアイテムを塗ってキスをすると顔が入れ替わるという趣旨のストーリーです。
醜い顔をもつ累は、顔を入れ替えてニナとして女優として活躍していくに従って、烏合(横山裕)と親しくなっていくわけなのですが、ニナは昔から烏合のことを慕っていたため、そこで亀裂が生じていってしまうー。
という話なのですね。
まあですが。
正直な話、
烏合はオマケ
みたいなものです。彼女の中では、飽くまでキッカケや通過点でしか過ぎないため、序盤で烏合については割と丁寧に描きますが、中盤からは
あれどこいった??
みたいな感じで物語が進行します。
でもそれでイイ(なぜなら、メインはそこではないから)
そして、最初の方は、ニナの方も、大根役者だったため、累に女優としての基礎を教えたり、台本読みを教えたりと意外にも悪いやつじゃなかったわけなんですが。
途中で、ハイヒールで芳根京子を足蹴にする土屋太鳳が見れます。
いいですけど、もっと踏んだ方がいいと思います!!
とまあ、ニナの嫉妬にかられた女性の心の葛藤が見えて良いです。
そんなこんなで話が進むわけですが、口紅で顔が入れ替わったり、ニナにとある持病があったりと、
なかなかマンガっぽいというか、SF要素を持っている本作。
それはそのまま受け入れた方が良いかなと思います。
SF気にしだすと、この作品は面白く無くなります。
そして物語は後半に突入するわけなんですが。
ここで面白いのは、
二人の関係性が逆転する
ということです。まるで世にも奇妙な物語みたいな展開ですよね。
あるいは、おぼっちゃまくんとびんぼっちゃまくんの入れ替わった人生というか。
累がどんどん変わっていってしまうんですよね。
見ていると、少し複雑に、というか、両者キャラクターの気持ちがわかりやすいので、見ていてなんとも言えない感じになりますね。
そして、やってきた問題のサロメ
サロメ(サロメ (戯曲) - Wikipedia)っていうのは私は知らなかったんですけど、
サロメという妃の娘がヨカナーン(ヨハネ)という預言者に惚れてしまうのですね。ですが、ヨカナーンは振り向かない。
サロメの母である妃を、その旦那を殺して奪った現王は、サロメに魅了されてしまい、サロメにダンスをしろとせがむんですね。
ダンスを踊ったら好きなものを与えると。そこで、サロメは、
ヨカナーンの首が欲しいとせがみ、自らはダンスをしてついにヨカナーンの首をもらうんです。
という、なかなか恐ろしい話で、興味深い戯曲だなと思った次第です。
ダンスっていうのがミソですけど、土屋太鳳は、日本女子体育大学で、舞踏科専攻なわけですよね。
舞台での演技は、天性の女優としての才能が〜〜〜〜という累の役としては若干物足りなさがありました。
(個人的には、お母さん役の檀れいのが気になるぐらいで)
なので、ダンスシーン結構期待していたわけです。
実際結構良かったんですけど
でもね
たおちゃんには、このぐらいやってほしかった!!!
私はこの時の狂気を感じるタオちゃんの踊りが見たかったぜ。
まあ、ともあれですが、
二人の女優たちが、今回自らのイメージを一新するような役に挑戦しており、個人的には好感が持てました。
芳根京子の累のダークさは、高嶺の花のダークさに通じるものがありましたw
これからも頑張って欲しいかなと思います。
ちなみに余談ですが、
サロメの戯曲における結末って、妃の夫である王が、サロメを殺させるんですよね。
原作は読んでいませんが、何かを暗示させるような気がしてならないー。
そう感じるのでした。
あとね、AimerのBlack Birdイイね!!!(重要)