二月の鯨

週3~5回いく映画鑑賞感想、たまに消化する積みゲーの感想、映画祭やドラマの話


映画作品鑑賞リスト2020
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ビューティフルデイ(原題:You Were Never Really Here)を見て

ビューティフルデイ(原題:You Were Never Really Here)を見てきました。

結構ネタバレで話していきます。

 

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 ホアキンフェニックス主演のドラマ?(スリラー映画らしいです)ものです。

第70回カンヌ国際映画祭主演男優賞脚本賞を受賞しています。

 

 

あらすじ

元軍人のジョー(ホアキンフェニックス)は、殺し屋。

ちょっと痴呆が入っている母親と二人暮らし。ある日、上院議員から、娘が家出して戻ってこないので、連れ戻してほしいという依頼を受ける。

娘の場所は既に判明していた。そこは、少女専門の売春宿だった。

というお話。

 

ここまで聞くとなんだかレオンを彷彿させますね。

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ホアキンフェニックスの変わりようにビックリ

ホアキンフェニックスというと、若くして亡くなったリバーフェニックスの弟で、

グラディエーターの悪い皇帝のイメージが私の中で印象深いです。

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でも今回驚いたのはこの中年具合ぶりの容姿

http://www.awardscircuit.com/wp-content/uploads/2017/08/Screen-Shot-2017-08-31-at-12.26.34-PM.png

だいぶおっさん感あるな!!でも、ガタイがいいので、軍人感もぱないです。

 

彷彿とさせる映画が多々ある

いろいろと端折りますが、この映画 いろいろな映画を彷彿とさせるのが結構でてきます。

たとえば、タクシードライバー、レオン、金づちもって襲うシーンはオールドボーイ。

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ほかにもあるのかもしれませんが、ざっとこんな感じ。

ところで、何故主人公がハンマーをもって人を襲うのか?といえば、それは昔父から受けていた暴力のせい。彼の父はハンマーでもってしてジョーに暴力をふるっていたのでした。

ちなみに、彼は体中キズだらけ。最初は元軍人設定だからかな?と思っていましたが、子供のころを思い出すシーンで、傷だらけの足のジョーが歩いているシーンが出てきます。彼の傷は子供のころに受けた傷もあったことでしょう。

 

歌の方向性の繰り返しのシーンがある

何を言っているんだ?と思うかもしれませんが、このシーンがとても印象的でした。

どういうことか?というと、

ラジオか何かでカントリー調?とでもいうのか歌が流れてきます

その歌が流れている現場に向かって主人公は立ち向かう敵を倒していくわけですが、

後ろから聞こえたり、遠くから聞こえたり、はたまただいぶ近いところで聞こえたりというふうにシーンが切り替わっていくのです。

しかも、歌が微妙に巻き戻って繰り返している。なかなか面白いですね。

ところで、ラジオが実際に鳴っているシーンみたいなのはないのですが、これは主人公の頭の中ででもなっているのでしょうか?そこは不明ですが、混濁している不安感があって興味深いです。

監督の話によると、どうやら ちょとミスったときに偶然撮れたようですが、結果的にいいみせ方になったとwebの記事で拝見しました。

 

そういえば、監督はリンラムジー

忘れていましたが、監督さんはリンラムジーです。

私の中でこの監督というと、少年は残酷な弓を射るでしょうか。

主演の男の子(エズラミラー)がだいぶヤバイ子を演じていて楽しかったですね。

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あ、そういえばこの映画の音楽を担当していたのもレディオヘッドのジョニーグリーンウッドですね。

 

音楽の使い方がとてもいい

私はこの映画で好きなシーンが二つあります。

一つはとても音楽の使い方がいいなーと思ったシーンです。

主人公の母親が殺されてしまい、復讐のため彼は家に押し入ったスーツの男を撃つんですね。

もう息も絶え絶えになったスーツの男と一緒に、ジョーが床に寝そべりながら、

歌が聞こえてくるんです。きっとラジオか何かなのでしょう。

そうすると、彼らは一緒にその歌のフレーズを歌いだすんですね。

歌は、 シャーリーンの"I've Never Been To Me"日本語だと、愛はかげろうのように

らしいですね。

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明るい旋律だから、なんか失恋とかの話なんでしょ?とか思っていたんですけど、実は歌詞がなかなかすごいんです。

https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcQjkoVkfrql2sD1rkyhMxpBPNcFDEQFgfQqXGE707uDF2zGkC8Z

彼らは一緒に、

"I spent my life exploring The subtle whoring That costs too much to be free Hey lady I've been to paradise"

と歌うんですね。

 

自由になるために、体を売って生きてきたの

私はパラダイスを知っているわ

 

これって、売春の歌なんですよね。なんだか、 あぁ うん・・ って複雑な気持ちが飛来します。

ちなみに、この後に、But I've never been to me...と続きます。

 

でも、私は私には決してなれない

 

これって、だいぶ原題とリンクしている気がするんですね。

原題は、 You Were Never Really Here 

 

私はここに本当はいなかった

 

とにかく死にたくて仕方がない主人公

 二つ目のシーンの話をする前に、主人公がいかに死にたくて仕方ないかの話をします。

もともとかれは、PTSDを患っており、とかく昔の軍人のときの記憶がよみがえります。

だけれど、断片的で決定的な説明は特にありません。

ですが、彼が苦しんでいるのか、ということは自分の体をいかに大事にしていないか、ナイフを落としては(足に刺さるんじゃないかとひやひやしたり)、

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電車の線路の下をのぞき込んでは(こいつ飛び込みたくて仕方ないのではないか?)

http://www.sanclementetimes.com/wp-content/uploads/2018/04/movie-2.jpg

と彼の混濁具合が気になって仕方がりません。

そして自分を落ち着かせるためなのか、ビニールをかぶっては昔のことを思い出す。

https://i1.wp.com/projectedfigures.com/wp-content/uploads/2018/03/YouWereNeverReallyHere-2-750x375.png?fit=750%2C375

そんな彼は、母親を殺され、母親を湖に沈めるときに、一緒に死のうとして自分のスーツのポケットに、石を入れて沈んでいくんですね。

https://medias.unifrance.org/medias/29/202/182813/format_page/you-were-never-really-here.jpg

 

こいつ、病んでいる

しかし、沈んでいく中で、彼はあの少女を見るんです。

https://i.ytimg.com/vi/6D7nyodo6nk/maxresdefault.jpg

彼は彼女のことを助けようと決めて、石を捨て、浮上するんですね。

 

数を数える意味は

ちなみに、ビニールをかぶりながら主人公って数を数えているんですよね。

18,17,16,15,14.... 。

そして売春宿に行った時、少女も数を数えているんです。

この湖に沈んでいるシーンも。なんだか、水の中だからってのもあると思いますが、息もできなくて、そんな印象を受けます。

 

ビューティフルデイ

いろいろ端折っていますが、彼女はとある元知事のお気に入りの少女だったということで、知事の家に捕らわれているんですね。

そして乗り込んでいくわけですが、乗り込んだ先で、知事は首を切られて死んでいるわけです。

彼は彼女が人を殺すことから助けられなかったんですよね。

そして彼はとても闇に落ちていくわけです。

行先もわからなく、どうしたらよいかわからず、彼女と一緒にレストランで食事をするシーンがあります。

http://www.kinosoprus.ee/sites/default/files/movie-images/2018/ywnrh12.jpg

 少女が、これからどこへいくの?ときくと、俺もわからない と主人公が答えます。

私の耳がただしければ、I don't know everythingっていっていると思います。

だ、大丈夫かな?この主人公・・。

 

と思った次の瞬間、彼は自分の頭を打ち抜くのです。

 

え・・まじで? しかし、レストランの誰もそのことに気づかない、

ウェイトレスはお会計はこちらです~と伝票を机の上に置いていく

そうです、これは彼の気持ちを表していて、もう死にたくてしょうがない、ほんとしょうがない。というシーンです。

しかし、しばらくすると、少女が席に帰ってきて、

 

起きてよジョー。どこか行きましょう?今日はいい天気よ(It's a beautiful day)

 

というわけなんですね。そして、ジョーは残っていたジュースを音を立てて

すするんです。

いやーーーーー このシーン最高ですね。

特に、音をすすっているのがとってもいいです。

最後に希望を何もかも失っていたジョーは、少女によって救ってもらったわけですね。

 

いくつか気になる点はある

ちなみに、いくつか気になる点はあります。

  • 少女を囲ってた上院議員って、ここまで殺人してまで少女に執着するもんなの?
  • あの湖、やけにジョーに光あたってね?
  • 拳銃の音が聞こえても、周りって通報しないぐらい危ないのアメリカって
  • ほとんど死体片付けてない気がするけど、そのあととか大丈夫?(野暮)
  • お母さんを包んでたあのビニールじゃ、耐久性が心配で浮かんできそう
  • 絶対いろんなところに指紋とか防犯カメラとか証拠残ってそう

 

とまあ、細かい野暮な突っ込みでした。

 

ともあれ、大変楽しめました

最初、21:50-23:30の映画だったんで、すごい短いな・・どんな話なのやら・・・。

と思いましたが、ジョーの今後の展開が気になって、話に入っていました。

結構楽しかったなと思います。

 

 

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